東証グロース市場は前週末まで新興株の下げが続いていたため、自律反発狙いの買いが入りやすかった面もある。ただ、市場関係者は「円安による輸出企業業績の改善や東証の市場改革などはいずれも新興株の投資テーマにならない。きょうの上昇でトレンドが変わったとは考えづらく、新興株の戻りは鈍そうだ」とみていた。積極的に上値を買い進む動きは限られた。
グロースCore、グロース250はともに反発。
東証グロース市場250指数の終値は前週末比6.22ポイント(0.90%)高の697.26だった。米連邦準備理事会(FRB)が利下げに慎重になるとの見方がやや後退したことで8日の日経平均株価が上昇。個人の投資家心理が改善し、新興株にも買いが及んだ。
グロース市場ではQPS研究所が午後も一時制限値幅の上限(ストップ高水準)まで買われたほか、ソラコムも上昇した。一方、カウリスや海帆は下落した。
値上がり銘柄数299、値下がり銘柄数222と、値上がりが優勢だった。
きょうグロース市場に上場したイタミアートは午前に公開価格(1600円)を400円(25.00%)上回る2000円で初値を付け、終値は初値比247円(12.35%)安の1753円だった。
個別では、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン、アジャイルメディア・ネットワーク、ギックス、キャスターがストップ高。ソフトフロントホールディングス、QPS研究所は一時ストップ高と値を飛ばした。ユナイトアンドグロウ、クオリプス、リアルゲイト、日本スキー場開発、トラース・オン・プロダクトなど7銘柄は年初来高値を更新。データセクション、VALUENEX、クリングルファーマ、Kudan、アイビスが買われた。
一方、yutoriが一時ストップ安と急落した。ホットリンク、ティアンドエス、サインド、エッジテクノロジー、プロパティデータバンクなど24銘柄は年初来安値を更新。TORICO、ナイル、エクスモーション、キューブ、シーユーシーが売られた。
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