今週は、大暴落となった。
新型コロナウイルスの世界的な拡大が警戒される中、OPECプラス会合で協調減産が決裂したことから原油価格が急落し、日経平均は週明けから4桁の下落となった。
米国で給与減税の可能性が浮上してきたことで切り返す場面もあったが、その期待も後退して改めて売られる展開。世界経済の停滞懸念が一層強まり、リスクオフの流れが加速した。米国市場ではサーキットブレーカーが週内に2回発動されるなど、荒い値動きを伴っての下落が続いた。
ブル相場の終えんが意識される中、日経平均も週末にかけて一段安となり、一時1万6000円台に突入するなど大崩れとなった。
週間では約3318円の大幅下落となり、週足では4週連続で陰線を形成した。
来週も乱高下の相場展開か。
FOMC(17~18日)と日銀金融政策決定会合(18~19日)が注目イベント。FRBは今月緊急利下げを発表した。唐突感があったことで米国株の反応は売りとなったが、さらなる金融緩和への期待も高まっており、FRBがこの難局にどう立ち向かうか、パウエル議長の会見を含めて注目される。
日銀も今回ばかりは無風通過とはならないだろう。今週、世界株式がかなり鋭角的な下げとなった分、日米の中央銀行イベントを前にしては、さらに暴力的に売る流れにはなりづらいとみており、買い戻しも入ると考える。
これらのイベントがさらなる失望を誘う可能性もないとはいえないが、その場合、世界的な協調や、さらなる対策の実現性が高まるため、株安を止める防波堤にはなると期待できるだろう。
TOPIX(東証株価指数)ベースで、2月に10%下落し、3月は13日の日中安値の時点で20%の下げに見舞われた。同指数の月間騰落率(月末比較)が2カ月連続で2ケタのマイナスになったケースは1980年以降の40年間で90年8、9月と2008年9、10月の2度しかなく、いずれも後の月の下落率が20%程度だったことを踏まえると、早晩落ち着きを取り戻す公算もある。
なお、東京市場は金曜20日が春分の日で休場。三連休前の19日にFOMCと日銀会合の結果を合わせて消化することになるため、この日はかなり値動きが荒くなる可能性がある点には注意を払っておきたい。
市場では、「ボラティリティ(相場変動性)が落ち着くまでは相場は安定化しない」、「買い戻しが始まれば、一気に戻すのだろうが、きっかけがない」などの声が聞かれた。
■テクニカル・ポイント(13日現在)
21698.33 均衡表雲上限(週足)
21367.29 ボリンジャー:-1σ(26週)
21210.00 均衡表雲下限(週足)
20951.00 ボリンジャー:-1σ(13週)
20403.28 均衡表転換線(週足)
20403.28 均衡表基準線(週足)
20342.99 均衡表基準線(日足)
20108.39 ボリンジャー:-1σ(25日)
19955.69 ボリンジャー:-2σ(26週)
19698.76 新値三本足陽転値
19287.06 6日移動平均線
19205.19 均衡表転換線(日足)
19097.28 ボリンジャー:-2σ(13週)
18544.09 ボリンジャー:-3σ(26週)
18278.83 ボリンジャー:-2σ(25日)
17431.05 ★日経平均株価13日終値
17243.57 ボリンジャー:-3σ(13週)
16449.27 ボリンジャー:-3σ(25日)
ローソク足は昨日に続いてマドを空けて下げ、胴体部分の長い陰線で終了。長い下ヒゲを出して下値での一定の買い需要を窺わせたが、売り圧力の強さも再確認する格好となった。
ともに下向きの25日線が200日線を下抜けるデッドクロス(DC)を形成したほか、13週線と26週線もDC形成が目前となっており、チャート形状は一段と悪化した。ボリンジャーバンドではザラ場安値が-3σに接近した後、終値は-2σを下放れ、下値拡張局面の長期化が警戒される。
反面、騰落レシオやRSIなどオシレーター系指標は引き続き「売られ過ぎ」のため、潜在的な反発余力は強いとみられる。ボリンジャーバンドの1σ分の値幅が1815.05円に広がっており、来週も乱高下相場となる可能性が高いだろう。
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