乱高下

NYダウは小幅高でのスタート。
その後300ドル以上の上昇で一時25200ドル台復活。
引けにかけての30分程度で急落し結局166ドル安と続落。
値幅で475ドルという乱高下となった。背景はFOMC議事要旨。
「FOMCメンバーがインフレについてそれほど懸念していない」ことを市場は好材料視した。
しかし「 堅調だった雇用統計やCPIがFOMC開催以降だったことに市場は気付いた」との解釈。
NY市場はそんな愚かな場所とは思えないが、こんな稚拙な解釈がまかり通るから面白い。
10年債利回り約4年ぶりの高水準となる2.957%を付けると株価は押し戻された。
30年債利回りは一時3.233%。
l2015年7月以来の高水準。
2年債利回りも一時2.282%。
約9年ぶりの高水準になった。
「FOMC議事要旨は特に驚くべきことはなくFRBが緩やかな利上げを継続するとの内容。
トップ交代は大きな変化をもたらしていない」という債券市場の方がマトモな声だろう。
債券利回りの上昇を受けて為替はドル高トレンド継続。
 
 
わずか45円とは言え今年2度目の水曜の日経平均の上昇。
2月7日が35円だったから少し上げ幅を増やした。
2月8日は高値から332円下押ししてかろうじてのプラス。
昨日は高値から394円下押してからの戻したがそれでも160円は下押し。
これが今年の水曜の傾向なのかも知れない。
微妙に日足が陽線だったことは評価されよう。
25日線と75日線のデッドクロスで悪材料出尽くしとも考えたいもの。
した値上がり1087銘柄、値下がり897銘柄だから悪くはないがTOPIXは続落。
場中に雰囲気がガラッと変わる不安定な相場だ。
5日線(21846円)、26週線(21988円)水準を保てるかどうかが課題となった。
「先週14日の安値(20950円)で底は打っているのだろうが・・・」という声が聞こえる。
しかし他力本願の市場心理は常に影に怯える状況だ。
象徴的だったのはジャスダック上場のラクオリア創薬(4579)の動き。
売買代金は火曜の192億円から456億円に急増した。
新興市場銘柄ではトップの商いとなりソニー(431億円)やトヨタ(399億円)を上回った。
全市場で4位の商い。
個別元気銘柄に付いて行くという流れだ。
騰落レシオは87.74と依然低い状態。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲16.671%。
買い方▲6.06%と買い方有利。
Quick調査の2月16日時点の信用評価損率はマイナス9.90%(前週はマイナス10.1%)。
3週ぶりに改善した。
裁定買い残は1689億円減少(6週連続)し1兆5709億円。
裁定売り残は70億円増の4988億円。
買い残はもうそろそろ減らないだろう。
空売り比率は42.7%で19日連続の40%超。
日経平均採用銘柄のEPSは1686.17円と過去最高を更新。
PERは13.03倍だ。
乱高下したNY株式を背景にシカゴ225先物終値は大証日中比115円安の21855円。
高値は22170円、安値は21800円だった。
勝手雲の下限は22077円だからもう少しで手が届く。
上限は2604円だ。
ボリンジャーのマイナス1σ21714円がサポートになろう。
「にゃん、にゃん、にゃん」の猫の日。
気学では「逆転日」。
何が逆転かは不明だが投資心理の逆転なら悪くはない。
「日経平均の半値戻り22638円ぐらいは期待したい」という声。
しかしバブル崩壊以降の半値戻し水準22985円はまだ遠い。
 
昨年は春節が1月からだったので減少すると思われていた1月の訪日外国人客数。
前年比9.0%増の250万1500人で着地した。
1月としての過去最高。
背景は航空路線の拡充やクルーズ船需要の増加。
国・地域別では韓国が28.5%像の80万3800人と最多。
単月での過去最高。
次いで中国が0.3%像の63万2300人。
春節休暇の2月にずれ込みは響いたが小幅に伸びた。
台湾は0.1%減、香港は13.5%減だった。
爆買いは越境ECへと移行してきたが、日本企業は「日本国内限定販売」というのを打ち出してきた。
例えばピジョンの哺乳瓶などがそうだ。
知恵の勝負というレベルではないかも知れないが結構進んだ印象。
あるいはインバウンド外国人が大挙して押し寄せているのはドンキ。
こちらはSNSなどでの口コミ拡散で迷路のような店作りや品揃えが評価されている。
売れ筋はライオンの「休足時間」や資生堂の「パーフェクトホイップ」など。
目薬や胃腸薬なども売れているという。
そういえば、アメリカに行くと、歯磨きやシェービングクリームをチェックしていたことが甦る。
古今東西、人の修正は一緒なのだろう。
加えれば「ナイトレジャー体験」の位置づけにもなるという。
昼は良くても夜は行く場所の少ないというのがこの国。
ライブハウスやカジノがなくてもドンキで楽しむというたくましさには感服だ。
 
 
NYダウは166ドル安の24797ドルと続落。
NASDAQは16ポイント安の7218ポイントと3日続落。
S&P500は14ポイント安の2701ポイントと続落。
ダウ輸送株指数は31ポイント高の10372ポイント。
3市場の売買高は69.6億株。
CME円建ては大証比105円安の21865円。
ドル建ては大証比115ポイント安の21855ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比変わらずの21970円。
ドル円は107.70円。
10年国債利回りは2.943%。
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
ワイヤレスゲート(9419)・・・動兆。
 
サイヤレスゲートに注目する。
同社は公衆無線LAN、WiMAXサービスを展開。
産業用IoT向け検証キットが拡大基調。
VAIOと安全なネット接続実現する技術に期待感。
前期決算発表で売り込まれたが、今12月期は増収増益の見通し。
過去の延長線上ではないところに未来があると考えたい局面。
リバウンド期待。

(兜町カタリスト櫻井)

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