[概況]
17日の欧米為替市場は、英ポンド円が下落した。理由は英国のEU離脱関連の報道である。詳しくは、ジョンソン英首相がEU離脱後の移行期間について、2020年末より後の延長を禁止する法改正を計画しているという報道だ。
これにより、EU英は新たな貿易協定の早急な妥協を迫られるという懸念が台頭し、結果として合意なき離脱の可能性が再燃したというわけだ。
英ポンド円は、同報道が伝わった欧州時間序盤から売り圧力を強め、安値143.72円まで下落する展開だった。英国のEU離脱を巡っては、総選挙によってEUとの離脱協定案が議会で通過することはほぼ確実となり、合意なき離脱への懸念はひとまず回避されたというのが現状だ。
しかし、離脱後にはじまるEU英間の自由貿易協定の締結などは課題が山積で、仮に妥結できなければ移行期間終了後は関税や非関税障壁が発生し、合意なき離脱と変わらない状況となってしまう。こうしたことから、英ポンド円はこの後もEU英間の交渉の成り行きに左右される相場付きとなりそうか。
[提供:カネツFX証券株式会社]
