9日の日経平均株価は大幅反落し、2万6319円(前週末比684円安)引けとなった。米長期金利の上昇を背景に前週末の米国株式が下落した流れを受け、売り優勢の展開となった。時間外取引の米株指数先物安も重しとなり、大引け間際には694円安まで下げ幅を広げた。心理的なフシ目となる2万6500円を割り込んだことで、目先は4月27日の直近安値(取引時間中安値2万6051円)が意識される。
あす10日の日経平均株価は、不安定な相場展開か。
足元のボラティリティー(価格変動率)は大きく、振れやすい状況だ。
日経平均を対象としたオプションの価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックスは9日、30.36(前週末比2.63ポイント高)に上昇した。警戒ラインとされる30を超えるのは1月27日以来となる。
米インフレ警戒をはじめ、中国の景気減速懸念、ウクライナ紛争など不透明要因はくすぶったままであり、不安心理は増幅されている。ただ、週末に向けて決算発表が相次ぎ、「当面は決算をみながら個別株物色が中心になる」との見方に傾いている。
米国株も最近は値幅が大きく出ることが多い。日経平均も振れ幅が大きくなりそうで、1日の値動きでチャートのポイントをブレークしたとしても、それでトレンドが変わったと判断しない方が良いだろう。ここ数週間は13週線(26826円、9日時点)近辺での一進一退が続いており、上に行っても下に行っても週末値では同水準に収れんするような動きが観測される。週明けから13週線を大きく下回るさえないスタートにはなったが、「大幅安の後には大幅高もある」くらいの気持ちでどっしり構えつつ、押し目で冷静に買いを入れる戦略が有効と思われる。
■上値・下値テクニカル・ポイント(9日現在)
27540.27 ボリンジャー:+1σ(25日)
27539.31 ボリンジャー:+1σ(13週)
27531.09 26週移動平均線
27321.34 均衡表基準線(週足)
27166.25 均衡表基準線(日足)
27074.27 25日移動平均線
26962.05 75日移動平均線
26826.55 13週移動平均線
26815.84 均衡表転換線(日足)
26778.97 均衡表転換線(週足)
26748.03 均衡表雲上限(日足)
26707.46 均衡表雲下限(日足)
26679.35 6日移動平均線
26608.27 ボリンジャー:-1σ(25日)
26518.58 ボリンジャー:-1σ(26週)
26319.34 ★日経平均株価9日終値
26142.27 ボリンジャー:-2σ(25日)
26113.79 ボリンジャー:-1σ(13週)
25676.28 ボリンジャー:-3σ(25日)
25506.06 ボリンジャー:-2σ(26週)
25401.03 ボリンジャー:-2σ(13週)
24688.27 ボリンジャー:-3σ(13週)
終値が下向きに転じた5日移動平均線を下回ったほか、ローソク足は上下ともに短いヒゲを伴う大陰線を描き、強い売り圧力を窺わせている。
一目均衡表では明日10日の変化日を前に、株価が下振れして雲下限を割り込んで三役逆転を形成して売り手優勢の形状となった。25日線とのマイナス乖離率は2.79%と売られ過ぎの5%ラインまで幅を残し、RSI(14日ベース)は43.76%と中立圏内にとどまっているため、一段安リスクに留意が必要となろう。
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