不安定な相場展開か

 
23日の日経平均株価は3日続落。終値は前日比178円安の2万8995円で、今月8日以来の2万9000円割れとなった。前日の米株高や米長期金利の低下を好感して朝方は300円を超える反発を見せていた。
しかし、今晩の米FRB議長の証言を見極めたいとの声から徐々に上げ幅を縮小。後場に入るとアジア株安や時間外取引の米株先物安であっさりとマイナス圏に落ちてしまい、大引けまでズルズルと下値を広げてしまった。年度末の手じまい売りが出たことも一因だろう。
日銀のETF買い入れルール変更により相対優位が見込まれるTOPIXも安値引けとなっており、混乱が長引くようだと値持ちの良かったものを売り急ぐ傾向が強まる可能性がある。
 
あす24日の日経平均株価は不安定な相場展開か。
米長期金利にらみの展開が続くとみられ、米国の金利・株式が落ち着けば、日経平均株価は直近3連敗の反動で上昇する可能性がある。
ただし、23日の同指数が朝高後に失速したように押し目買い意欲は一時に比べて後退しており、外部要因のフォローがないと調整が尾を引くことも予想される。
市場では、「業績・景気回復やワクチンへの期待などがいったん一巡し、材料的に行き詰まった感がある」、「月末や年度末を控えて、やりにくく、目先はもみ合いか」などの声が聞かれ、新たな手掛かり材料がないと買い気は高まりにくいとみられる。
 
テクニカル面では、13週線(2万8850円、23日時点、以下同じ)までで反転する展開に期待したいところだが、26週線(2万6935円)が控える2万7000円あたりまでの下げはあるかもしれない。しかし、そこまで下げてもまだ調整の範囲内。日本株弱気論者からすれば、日銀の限界が露呈して暴落シナリオが始まったように見えなくもないが、そこまで悲観に傾くのは早計だろう。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(23日現在)
 
30373.26  ボリンジャー:+2σ(13週)
30216.75  新値三本足陽転値
30111.36  ボリンジャー:+1σ(25日)
29740.17  均衡表転換線(日足)
29669.05  6日移動平均線
29611.65  ボリンジャー:+1σ(13週)
29596.79  25日移動平均線
29511.55  均衡表基準線(日足)
29194.45  ボリンジャー:+1σ(26週)
29172.16  均衡表転換線(週足)
29082.22  ボリンジャー:-1σ(25日)
 
28995.92  ★日経平均株価23日終値
 
28903.57  均衡表雲上限(日足)
28850.04  13週移動平均線
28567.65  ボリンジャー:-2σ(25日)
28373.49  75日移動平均線
28209.71  均衡表雲下限(日足)
28088.43  ボリンジャー:-1σ(13週)
28053.08  ボリンジャー:-3σ(25日)
27326.82  ボリンジャー:-2σ(13週)
26935.05  26週移動平均線
26831.50  均衡表基準線(週足)
26565.21  ボリンジャー:-3σ(13週)
25225.21  200日移動平均線
 

ローソク足は下ヒゲのない「陰の大引け坊主」で終了。3日連続陰線で終値とザラ場安値が前日水準を下回る黒三兵(三羽ガラス)を示現して下値模索継続を示唆している。
ともに下向きの5日線とその下の25日線との値幅は21.85円に縮小しており、明日24日のデッドクロス形成も意識される。
ボリンジャーバンドでは昨年10月30日以来の終値-1σ割れ。3月18日ザラ場の+2σ接近を直近ピークとする調整が続いており、目先-2σを試す展開が予想される。
 
 

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