21日午前の日経平均株価は続落し、前週末比159円79銭安の2万6603円60銭で前場を終えた。
寄り付きは日経平均がプラス圏でスタートしたものの、その後は買いが続かず、急速に値を消し下値を探る展開に。日経平均は一時200円を超える下げとなった。取引時間中としては9日以来の安値を付けた。
米国では20日に、日本円にして93兆円規模の新型コロナウイルス追加対策発動で合意したことが伝わり、これはプラス材料となったものの、新型コロナ感染拡大への警戒感が根強くその後は売りに押される展開を余儀なくされた。
世界的に新型コロナウイルスの感染が深刻化し、英国では新型コロナの変異種による感染が拡大。ロンドンは3度目となるロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。実体経済の悪影響への警戒が重荷となった。
市場では「万が一、変異した新型コロナにこれまで開発してきたワクチンが効果がないとすれば、ワクチンによる経済正常化期待がしぼむだろう」との声があった。コロナ感染拡大を受け、「アマゾン・ドット・コムが一部倉庫を閉鎖した」と伝わったことも重荷となった。
取引開始直後に日経平均は上昇し、2万6905円と取引時間中の今年の高値を付ける場面があった。米議会の与野党指導部が20日、9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策を最終合意し、米景気回復期待が支えとなった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆180億円、売買高は5億4953万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1482と、全体の約7割を占めた。値上がりは600、変わらずは102銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、石油・石炭製品、その他製品などが下落し、上昇は非鉄金属、銀行業、情報・通信業など。
個別銘柄では、国際帝石が安く、ENEOSは軟調。SUMCOは大幅安で、ファストリ、ファナック、ネクソン、オムロン、京セラ、エムスリーが下げた。日産自、トヨタ、JTが売られた。
一方、住友電が大幅高で、住友鉱やJFEは底堅い。三菱UFJ、三井住友、ソニー、キーエンスが高く、ソフトバンクG、ダイキン、中外薬、セコム、オリンパスが上げた。
きょう東証1部に上場したポピンズは公開価格(2850円)を6%下回る2679円の初値を付けた。その後はやや買いが優勢で、2811円で午前の取引を終えた。
東証2部株価指数は前週末比40.08ポイント安の6626.42ポイントと4日続落した。
値上がり銘柄数は146、値下がり銘柄数は262となった。
個別では、梅の花、ナガホリ、フレンドリーが年初来安値を更新。ビーイングホールディングス、バイク王&カンパニー、フォーシーズホールディングス、宮入バルブ製作所、野村マイクロ・サイエンスが売られた。
一方、土屋ホールディングス、オーケーエムが一時ストップ高と値を飛ばした。ギグワークス、カワサキ、神島化学工業、日本製罐、TVEなど9銘柄は年初来高値を更新。アドテック プラズマ テクノロジー、省電舎ホールディングス、セキド、太平製作所、加地テックが買われた。
