下落、ダウは50ドル安。政治混乱への警戒感広がる

30日のNYダウ工業株30種平均は続落した。連休前26日と比べ50ドル81セント安の2万1029ドル47セントで終えた。
原油相場の下落を受けて、売りが先行した。北朝鮮による新たなミサイル発射実験で地政学リスクが高まったほか、トランプ大統領の娘婿がロシア政府との接触を疑われ、FBIの捜査対象となっていることが明らかとなり、政権運営への先行き不透明感から軟調推移となった。

もっとも、米企業業績の改善が続くとの期待は根強く相場の下値も限られた。アマゾン・ドット・コムが上場後で初めて1000ドルの大台に到達。グーグルの持ち株会社アルファベットやアップルといった高い成長が期待される大型ハイテク株の一角が底堅く推移したのも市場心理の悪化に歯止めをかけた。

4月の米個人消費支出(PCE)は前月比で増加し、3月分の伸び率は上方修正された。一方、米連邦準備理事会(FRB)が注目する物価指標であるPCEデフレーターの前年同月比の上昇率は3月から縮小。30日発表の米経済指標は強弱入り交じった結果だったため、相場を方向付ける材料とはならなかった。

ナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落し、同7.005ポイント安の6203.189で終えた。

セクター別では、電気通信サービスや自動車・自動車部品が上昇する一方でエネルギーや銀行が下落した。

国債利回りの低下でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が下落。原油相場の下落でチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移債券指数事業をロンドン証券取引所(LSE)グループに売却すると発表したシティグループが下落した。

一方、海洋掘削のアトウッド・オセアニクスが急伸した。同業の英エンスコへの身売りを発表し、買収価格にさや寄せする形で買われた。非公開株ファンドへの身売りを発表したクラウドソフトのエグザクトリーも高い。
電気自動車(EV)のテスラ・モーターズは上場来高値を更新した。

NYダウ工業株30種(ドル)
21,029.47-50.81
S&P500種
2,412.91-2.91
ナスダック
6,203.189-7.005


連休明け30日のシカゴ日経平均先物は続落した。6月物は連休前26日と比べ80円安の1万9625円で終え、30日の大阪取引所の終値を45円下回った。円高進行と米株安を嫌気した売りが優勢だった。だが、朝方に円安が進む場面では日経平均先物にも買いが入った。6月物の安値は1万9570円、高値は1万9740円。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)  
19625 ( -45 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て) 
19620 ( -50 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7526.51(-21.12)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶり反落した。連休前26日終値に比べ21.12ポイント安の7526.51で引けた。構成銘柄の6割近くが下落した。前週末に最高値を付けたことから利益確定目的の売りが優勢だった。
金属相場の下落を背景にアントファガスタなどにも売りが出た。バークレイズをはじめ銀行株は売りに押された。
半面、ベンチャー・キャピタルの3iグループが大幅上昇した。ロンドン証券取引所(LSE)グループも上げた。米金融大手シティグループが一部事業を同社に売却したと発表した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12598.68(-30.27)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日比30.27ポイント安の12598.68だった。ドイツ銀行とコメルツ銀行が安かった。工業用ガスのリンデも下落した。一方で、ドイツ取引所が高く引けた。電力株も堅調だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5305.94(-26.53)

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