下値模索の推移が続くか

 
 
25日の日経平均が大幅反落。終値は前日比822円安の2万1268円出、3月29日以来、およそ7カ月ぶりの水準まで下げてきた。下げ幅は2週間前(915円安)に次ぐ大きさ。
 
前日の米国株急落の影響を受けて外国人などの手じまい売りが膨らみ全面安商状。世界景気の先行き不透明感から押し目買いも少なく終日下げ幅を広げる展開となった。下値のフシを次々と破り現状では2万1000円を試す流れとなっている。
トピックスは年初来安値を大きく更新し弱気相場の様相を強めている。
 
テクニカル的にはきかっけ次第でリバウンドに入る可能性も高まっているが、強めの調整局面であるため上値はある程度限られよう。
 
明日(26日)の東京株式市場は、きょう日経平均株価が前日比800円を超える急落となったことによるダメージが尾を引く可能性が高く、下値模索の推移が続きそうだ。
4~9月期決算や、19年3月期通期業績見通しの発表が本格化しているものの、極端な弱気地合いのなかで、好業績銘柄の内容を評価して買い向かう動きは限定的となりそうだ。
 
“下値メド”に移っている。
(1)日経平均は今年3月にPER12倍まで売り込まれたが、これを現状に当てはめた約2万800円水準、
(2)3月23日の年初来安値2万617円(終値ベース)
(3)心理的フシ目の2万円が市場で取りざたされている」

との見方が出ていた。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(25日現在)
 
22590.86  新値三本足陽転値
22479.84  200日移動平均線
22472.24  均衡表雲下限(日足)
22399.00  ボリンジャー:-1σ(25日)
22195.96  6日移動平均線
22081.91  均衡表転換線(日足)
22078.13  ボリンジャー:-1σ(26週)
22039.64  ボリンジャー:-1σ(13週)
21848.13  均衡表雲上限(週足)
21684.43  均衡表雲下限(週足)
21574.27  ボリンジャー:-2σ(25日)
21495.53  ボリンジャー:-2σ(26週)
21292.25  ボリンジャー:-2σ(13週)
 
21268.73  ★日経平均株価25日終値
 
20912.92  ボリンジャー:-3σ(26週)
20749.54  ボリンジャー:-3σ(25日)
20544.86  ボリンジャー:-3σ(13週)
 
ローソク足は窓を空けて長い陰線を引いたが、下ひげは短く、引け味の悪さを示した。25日線や52週線など主要な移動平均線は短期、長期を問わずいずれも下落しており、相場全体の強力な下落トレンド入りを強く印象付けた。
ただ、25日線との下方乖離率は8.4%に拡大して短期的な売られ過ぎを強く示唆しており、短期的な買い戻しを誘う要因となろう。
 
 
■東証主体別売買動向:10月第3週、外国人は現先合計1兆1145億円の大量売り越し
 
東京証券取引所が25日発表した10月第3週(10月15~19日)の投資部門別売買動向(東京・名古屋2市場、1、2部など)は、現物の海外投資家が2120億3818万円と2週連続の売り越しとなった。前週は3290億3996万円の売り越しだった。
 
なお、先物ベース(日経225とTOPIXの先物・mini合計)で外国人は9024億円の売り越し。現物・先物の合計では1兆1145億2100万円と2週連続の大量売り越し(前週は1兆8179億円の売り越し)となった。
 
現物では、個人投資家は2756億6363万円と3週連続の買い越し。事業法人は249億6682万円と2週連続の買い越し。投資信託は1569億9461万円と同じく2週連続の買い越しだった。
 
 
【信用規制・解除】
 
(25日大引け後 発表分)
○倉元 <5216> [JQ]
東証が26日売買分から信用取引の臨時措置(委託保証金率を50%以上[うち現金20%以上]とする)を解除する。日証金も増担保金徴収措置を解除。
 
 
【注目銘柄動向】
 
■メディア工房<3815>
496円 +53  (+11.96%)
同社は24日取引終了後に、中国個人投資家の包盛杰氏と、香港合弁会社を11月下旬に設立することで基本合意したと発表。今後の展開などが期待されているようだ。包盛杰氏は、シャンハイ・チャイナ・カードの董事長。合弁会社は、医療ツーリズムを中心としたインバウンド事業や越境eコマース事業などを手掛ける計画だとしている。
なお、合弁会社の出資比率は、メディア工房が60%、包盛杰氏が40%となる予定。合弁会社の名称など詳細については、具体的な内容が確定次第公表するとしている。
 
 
■ベリサーブ<3724>
5330円 +700 (+15.12%)
ストップ高。前日に上半期の決算を発表、営業利益は7.8億円で前年同期単独比26.2%増益となった。従来の会社計画6.7億円を上回る着地になっている。注力中の自動車分野が順調に拡大しているほか、エンタープライズ向けアプリケーション分野なども堅調に推移しているもよう。通期業績予想は据え置いているが、受注残高が前年同期末比35.0%と大幅に拡大していることもあり、上振れ期待は高まる展開のようだ。
 
 
■太洋工業<6663>
605円 +19  (+3.24%)
18年12月期第3四半期累計(17年12月-18年9月)の営業損益が1.15億円の黒字(前年同期実績0.58億円の赤字)になったと発表している。電子基板事業で量産案件及び高難度製品の受注増により医療機器メーカー向けなどが順調に伸びた。基板検査機事業でも外観検査機及び通電検査機が好調だった。通期予想は0.40億円の黒字で据え置いたが、第3四半期で既に上回っており、上方修正期待が広がっている。
 
 
■アイ・ピー・エス<4390>
8070円 -1,500  (-15.67%)
ストップ安。19年3月期第2四半期累計の営業利益を従来予想の4.08億円から4.72億円(前期実績3.86億円)に上方修正。フィリピン国内通信事業が早期に黒字となったほか、医療・美容事業でレーシックが好調だった。通期予想(前期比2.1%増の9.21億円)は据え置き。進捗率は51.2%にとどまっており、材料出尽くしと見た向きが売りを出している。営業外収益として為替差益1.55億円を計上する。
 

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