上値の重い展開か

 
 
8日の日経平均株価は大幅続伸。終値は前日比405円高の2万8860円で、先月25日以来の高さとなった。米株高が刺激となってこの日も大きく買いが先行。特に米国で半導体関連株が大幅高を演じたことで(米半導体株指数SOXは最高値を更新)で東エレクなど値がさの半導体株の上昇が日経平均を押し上げた。寄り前に発表された7-9月GDP改定値が下方修正されたことは材料視されず。全体的にはオミクロンへの過度な警戒がとけてきたことが大きいようだ。
 
 
あす9日の日経平均株価は、上値の重い展開か。
日経平均先物・オプション12月限の最終取引日で、週末のメジャーSQ(特別清算指数)算出をにらみ、先物売買に揺れる可能性があるだろう。
ロールオーバー(次限月以降のポジションに乗り換え)は順調に進んでいるもようだが、8日の日経平均株価は2万8860円(前日比405円高)引けと心理的なフシ目となる2万9000円を視野に入れ、同水準のオプション権利行使価格が意識される。コール(買う権利)、プット(売る権利)ともに建玉は1万枚超と比較的厚みがあり、指数の水準次第では先物のヘッジ売買を誘発し、ボラティリティ(価格変動率)が大きくなるケースも想定される。
 
チャート上では、至近距離にある200日線(2万8903円)、日足一目均衡表の「雲」(下限2万8875円、上限2万8961円)や、フシ目の2万9000円、75日線(2万9010円)、25日線(2万9069円)など抵抗線が数多く横たわっている。戻り売りへの警戒感が出やすい半面、クリアすれば買い戻しを呼び込むことにもなり、正念場を迎えている。
 
一方、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への警戒ムードが後退するなか、「重症化リスクが低いという情報をいったん織り込んだが、次は来週のF0MC(米連邦公開市場委員会、14~15日)待ちになり、不透明感を引きずる」との声も聞かれた。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(8日現在)
 
29875.74  ボリンジャー:+1σ(13週)
29779.00  ボリンジャー:+1σ(25日)
29638.71  ボリンジャー:+1σ(26週)
29149.56  13週移動平均線
29069.09  25日移動平均線
29010.43  75日移動平均線
28961.90  均衡表雲上限(日足)
28903.63  200日移動平均線
28875.30  均衡表雲下限(日足)
28875.30  均衡表基準線(週足)
 
28860.62  ★日経平均株価8日終値
 
28774.77  均衡表転換線(週足)
28774.77  均衡表基準線(日足)
28711.32  26週移動平均線
28567.31  均衡表雲上限(週足)
28460.80  均衡表転換線(日足)
28423.38  ボリンジャー:-1σ(13週)
28359.18  ボリンジャー:-1σ(25日)
28160.36  6日移動平均線
27783.94  ボリンジャー:-1σ(26週)
27753.37   新値三本足陰転値
27697.20  ボリンジャー:-2σ(13週)
 

上昇2日目の5日線を上放れ、終値は11月16日高値から12月3日安値の半値戻し28774.77円を突破し、新値三本足が陽転。ローソク足はマド空けを伴って下ヒゲを伸ばす陽線を描き、強い上昇圧力を窺わせた。一目均衡表では株価が雲下から雲中に上昇して三役逆転下の弱気形状を解消し、相場の局面は弱気からもみ合いへ移った格好。ただ、節目の2万9000円前後には、200日線(2万8903円63銭)や75日線(29010円4 3銭)、25日線(29069円09銭)、一目均衡表の雲上限(9日は2万8910円16銭)などが集中しており、ここからは一旦もみ合いに入るシナリオに留意したい。
 
 

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