上値の重い展開か

 
日経平均は259円の下落。米国株の動向からは259円の上昇であっても物足りないくらいで、きょうの反応は極めて弱い。
仮にあす大きめの反発があったとしても、それだけでは底打ち感は出て来ないだろう。
個別では急落銘柄だけでなく急騰銘柄も多いが、これは長期志向の投資家が手を出しづらい中で、超短期のトレードだけが活況になっているということ。
東証1部の売買代金も2兆円台半ばと、指数の動きが荒い割には盛り上がりに欠ける。
日経平均の0.92%安に対してTOPIXが0.24%安とパフォーマンスに開きが出ており、TOPIXが踏ん張りを見せることができるかが目先の焦点となる。TOPIX優位の際に選好されやすい景気敏感株やアフターコロナ関連の動向が注目される。
 
3月の日銀金融政策決定会合ではETF購入の効率化が発表されたが、4月に買い入れがあったのは21日の701億円のみ。5月に入ってからの買い入れはない。
市場には「前場時点のTOPIX下落率2%超」を買い入れの基準とみる声が多く、この日もETF買いは見送られた。
 
この状態が続けば日銀のETF買いは、よほど大きな下落がないと入らないことも予想される。海外投資家が日本株に慎重な姿勢を続けるなか、昨年度まで日銀は日本株の最大の買い手となっていた。日銀によるETF買い不在の状況を市場は織り込んでいく必要があるが、いずれにせよ日銀の不在は相場の波乱局面を増幅することになりそうだ。
 
明日18日の日経平均株価は、上値の重い展開か。
17日の日経平均株価は大幅反落し、2万7824円(前週末比259円安)引け。朝方は、前週末の米国株高を支えに寄り付き直後に230円近く上昇したが、その後は失速した。時間外取引での米株価指数先物の軟化とともに、先物に断続的な売りが出て下げ転換。台湾加権指数安も重しとなり、下げ幅は一時450円を超えた。
「3、4月の2万8400円前後のレンジ下限を(前週に)下抜け、早期に戻せないことで売り直された」との見方も市場では聞かれた。
外部要因が好転しないと買い意欲は高まりにくく、その一方で戻り売りへの警戒感が強まる可能性がある。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(17日現在)
 
29147.90  13週移動平均線
29090.16  25日移動平均線
28796.96  均衡表転換線(週足)
28796.96  均衡表基準線(日足)
28535.22  均衡表転換線(日足)
28522.91  ボリンジャー:-1σ(13週)
28504.06  26週移動平均線
28446.12  ボリンジャー:-1σ(25日)
28307.99  均衡表基準線(週足)
28271.96  6日移動平均線
27897.91  ボリンジャー:-2σ(13週)
 
27824.83  ★日経平均株価17日終値
 
27802.07  ボリンジャー:-2σ(25日)
27390.38  ボリンジャー:-1σ(26週)
27272.92  ボリンジャー:-3σ(13週)
27158.03  ボリンジャー:-3σ(25日)
26389.88  200日移動平均線
26276.70  ボリンジャー:-2σ(26週)
25163.03  ボリンジャー:-3σ(26週)
24472.79  均衡表雲上限(週足)
21532.31  均衡表雲下限(週足)
 
 
ローソク足は上ヒゲがほとんどない陰の寄り付き坊主を示現。終値は25日線下で下降を続ける5日線を5営業日連続で下回り、売り圧力の強さを窺わせた。25日線とのマイナス乖離率は4.35%(先週末3.70%)に拡大し、投資家の含み損益悪化が推察される。
 
一目均衡表では三役逆転後の弱気形状が継続したが、基準線と転換線は横ばいで底割れリスクは一旦後退した格好。RSI(14日ベース)は43.25%(先週末40.58%)、騰落レシオは84.85%(先週末80.61%)といずれも中立圏中央に向かって上昇しており、RSIの50%、騰落レシオの100%超えに向けた上昇基調が株価の反発を後押しする展開が期待される。
 

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