8日の日経平均株価は、前日比105円34銭安の3万2166円48銭と続落して取引を終了した。朝方は、きのう7日に大幅反落した反動や、現地7日の米国株式が上昇したことを受けて買いが先行。一時3万2500円台を付ける場面もみられたが、買いが続かなかった。
上方修正を発表した任天堂が6%を超える上昇で年初来高値を更新。マツダが10.4%高、スズキが%3.2高と、上方修正を発表した自動車株が買いを集めた。小林製薬、参天製薬、新日本製薬など、薬品株にも決算を材料に強く買われる銘柄が散見された。富士ソフトが上場子会社4社を完全子会社化するとの観測が伝わり、名前の挙がったサイバーコム、ヴィンクス、サイバネットシステム、富士ソフトサービスビューロに買いが殺到。これら4社は真偽確認のため13時19分に売買停止となった。
一方、メガバンクの三菱UFJ、三井住友、みずほFGが4~5%台の下落。原油価格の大幅下落を受けて、INPEX、ENEOS、出光興産、コスモエネルギー、富士石油が5~6%台の下落となった。三菱重工、川崎重工、IHIの重工3社も下げが大きかった。ユニチャームやヤマハ発動機が決算を受けて大幅安。大阪チタニウムや明治HDは上方修正が評価されず急落した。
9日の日経平均株価は上値の重い展開か。
日経平均株価は8日、10月12-13日に付けた3万2500円を超える場面がみられたが、戻り待ちの売りに押される格好となった。「週末のSQ(特別清算指数)値の算出を前に様子見姿勢が強まったようだ」との声も聞かれ、積極的な動きは期待しにくい。決算発表のピークは10日だが、9日も330社程度が決算発表を予定していることから、「森(全体)よりも木(個別)」の選別物色が強まりそうだ。
きょうのような7割超の銘柄が下落したような地合いでは掻き消されがちだが、強気論の拠りどころは、今回の決算発表で明らかとなっている好調な企業業績だ。つまりミクロ面から株式市場を押し上げるという見方だが、これも微妙な部分がある。好調な決算は自動車周辺に集中しているようにも見えるからだ。自動車産業の裾野は非常に広く、半導体不足解消による生産台数の回復が多くの関連企業に恩恵を及ぼしているのは事実。しかし、この生産台数急増はあくまで供給側のソリューションであって、本質的な需要拡大によるものとは違う。つまり一過性で次に控えるものがない。「自動車というキーワードを外すと、意外と悪決算が目立つ」とする声も聞かれる。
■上値・下値テクニカル・ポイント(8日現在)
33409.51 ボリンジャー:+2σ(13週)
33352.56 ボリンジャー:+3σ(25日)
32899.84 ボリンジャー:+1σ(26週)
32740.90 ボリンジャー:+2σ(25日)
32699.51 ボリンジャー:+1σ(13週)
32536.98 均衡表雲上限(日足)
32454.78 均衡表雲下限(日足)
32166.48 ★日経平均株価8日終値
32147.64 75日移動平均線
32137.08 26週移動平均線
32129.24 ボリンジャー:+1σ(25日)
32060.99 均衡表転換線(週足)
31989.52 13週移動平均線
31926.20 6日移動平均線
31652.42 均衡表転換線(日足)
31627.11 均衡表基準線(日足)
31624.43 均衡表基準線(週足)
31517.58 25日移動平均線
31374.31 ボリンジャー:-1σ(26週)
ローソク足は陰線を引き、高値と安値も連日切り下がったが、終値は75日移動平均線(32147.64円)をキープ。5日線と25日線も上昇を続けた。
一目均衡表では雲上限に跳ね返され、終値は2日連続で雲下方にとどまる一方、遅行線は強気シグナル発生を継続し、強弱サインが混在している。明日9日は変化日を迎えることから、株価が上下いずれかに急変動する可能性に留意したい。
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