上値の重い展開か

 
今週は堅調展開となった。大型連休明けとなった8日は、休場の間の米国株が均してみれば弱かったことから、日経平均は200円を超える下落。一方、9日はJFEHDの急騰などもあってバリュー株買いが盛り上がり、前日の下げ分を取り戻して300円近い上昇となった。10日は米国株安を受けて下落したが、11日は場中に下を試しに行っても押し目では買いが入り、小幅ながらプラスで終了。木曜時点では前の週との比較でほぼ横ばいであったが、12日は好決算銘柄や大型株に強い動きが見られたことで200円を超える上昇となり、週間でプラスを達成した。日経平均は週間では約230円の上昇となり、週足では4週連続で陽線を形成した。
 
 
来週(15-19日)の東京株式市場では、米政府の債務上限問題に注目が集まり、市場心理が揺れる可能性もあるだろう。
国内では、好決算銘柄への買い人気が指数を押し上げ、日経平均は3万円大台も意識される状況だが、米債務上限問題がマーケットに影を落とし、相場の不安定さにつながるケースも想定される。
 
米連邦政府の債務残高は、法的に定められた限度額の31.4兆ドルに達している。運転資金が枯渇する6月にもデフォルト(債務不履行)に陥る可能性があり、回避するには早期に上限を引き上げる必要がある。ただ、そのための協議は難航している。
むろん、米政府は今回もどうにか切り抜けるだろうが、市場に混乱を招くポテンシャルは小さくない。最近の日本株上昇の大きな要因は海外勢の買いとみられるだけに、債務上限問題で米市場が軟化した場合は、影響が避けられない。決算発表の一巡で物色の手掛かりが途絶えてしまうことも予想される。
 
ただ、日本企業は株主還元姿勢を積極化しており、資本効率の改善を通じた市場価値の高まりへの期待は今後も残る。このため、相対的に割安感が強い日本株を選好する動きは、中期的な支援材料になり得るだろう。
 
19日金曜日からは広島でG7サミットが開催される。ここで出てくる内容を見極めたいところでもあり、売り急ぎが抑制されて高値圏を維持すると予想する。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(12日現在)
 
30302.54  ボリンジャー:+3σ(26週)
30164.25  ボリンジャー:+3σ(13週)
30138.04  ボリンジャー:+3σ(25日)
29600.72  ボリンジャー:+2σ(25日)
29488.41  ボリンジャー:+2σ(13週)
29415.87  ボリンジャー:+2σ(26週)
 
29388.30  ★日経平均株価12日終値
 
29164.64  6日移動平均線
29123.18   新値三本足陰転値
29063.40  ボリンジャー:+1σ(25日)
28833.87  均衡表転換線(日足)
28812.57  ボリンジャー:+1σ(13週)
28529.20  ボリンジャー:+1σ(26週)
28526.08  25日移動平均線
28426.86  均衡表基準線(日足)
28136.72  13週移動平均線
28029.49  均衡表転換線(週足)
27988.75  ボリンジャー:-1σ(25日)
27902.10  75日移動平均線
27707.69  均衡表雲上限(日足)
27642.53  26週移動平均線
27623.44  200日移動平均線
 
ローソク足は陽線を描き、2021年11月以来の高水準に買い進まれた。一目均衡表では三役好転下の強気形状にあって昨日横ばいだった基準線と転換線が本日は上向きで終了。5日や13週など主要移動平均線の上向きキープと併せて上昇トレンド継続を示唆している。3月16日の直近ボトム26632.92円から本日終値まで2755.38円高と短期間で急伸してきたが、25日線との乖離率は3.02%と買われ過ぎの5%ラインに届かず、来週の反動安圧力は限定的とみられる。
 

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