上値の重い展開か

 
17日の日経平均株価は大幅に5営業日続伸し、3万93円(前日比250円高)で引け、21年9月28日以来約1年8カ月ぶりに3万円の大台を回復した。円安・ドル高進行を支えに堅調に始まり、その後は海外投資家の買い観測とともに株価指数先物に断続的な買いが入り、上げ幅を拡大した。フシ目となる3万円大台乗せ後も執拗な買いが続き、一部では「海外投資家は強気の構えにあり、3万円を通過点とみているようだ」との声が聞かれた。
ただ、足元の5連騰で合計971円の上昇となり、ノンストップの上げに対する反動を読む向きも少なくない。
東証のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に対する改善要請や、著名投資家のウォーレン・バフェット氏による日本株への強気の見方などを背景に日本株は独歩高の様相を呈しているが、「楽観しすぎている面がある」との指摘もあった。
 
あす18日の日経平均株価の上値の重い展開か。
海外投資家の継続買い期待は根強く一段高の可能性はあるが、直近の連騰で短期的な過熱感とともに利益確定売りへの警戒感も引きずっている。
 
日経平均株価は2021年2月と9月に3万円台に乗せている。ただ、この2回は乗せて間もなくピークをつけた。2021年2月に3万円台に乗せた時は、2月15日に3万円に到達し、翌16日の3万0714円が天井となった。同年9月に再び3万円台に乗せた時は、9月7日の取引時間中に3万円に到達し、ここから一週間後の9月14日が天井となった。
 
この2回にもう一つ共通する点として、2万9000円に乗せてから3万円に到達するまでの日数が短かったという点も挙げられる。2月は2万9000円台に乗せたのが2月8日で、その4営業日後に3万円に乗せた。9月は2万9000円台に乗せたのが9月3日で、その2営業日後に3万円に乗せた。2万9000円に乗せてからの上昇が急すぎた分、3万円では到達感が出てきやすい状況であったと言えるだろう。
 
今回は、2万9000円台に乗せたのが5月1日。そこから9営業日後の本日17日に3万円に乗せた。その前の2回に比べると、2万9000円台で揉んだ日数が多い。直近2回では3万円乗せ後の上値が限られたことはまだ記憶に新しく、今回、3万円近辺での売り需要はそれなりに強かったと推測される。それでも戻り売りをこなして3万円に乗せてきた。3万円より上が定着するかはここから1~2週間の動向がカギを握るが、ここまでの流れからは、まだ上が期待できそうな雰囲気があるだろう。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(17日現在)
 
30812.75  ボリンジャー:+3σ(13週)
30738.26  ボリンジャー:+3σ(26週)
30510.28  ボリンジャー:+3σ(25日)
 
30093.59  ★日経平均株価17日終値
 
29986.90  ボリンジャー:+2σ(13週)
29939.00  ボリンジャー:+2σ(25日)
29734.48  ボリンジャー:+2σ(26週)
29533.35  6日移動平均線
29523.57  均衡表転換線(日足)
29388.30   新値三本足陰転値
29367.71  ボリンジャー:+1σ(25日)
29161.06  ボリンジャー:+1σ(13週)
28796.42  25日移動平均線
28785.79  均衡表基準線(日足)
28730.69  ボリンジャー:+1σ(26週)
28530.50  均衡表転換線(週足)
28335.22  13週移動平均線
28225.14  ボリンジャー:-1σ(25日)
28008.26  75日移動平均線
27888.61  均衡表基準線(週足)
27770.70  均衡表雲上限(日足)
27726.91  26週移動平均線
27683.86  均衡表雲下限(日足)
27659.03  200日移動平均線
 
 
寄り付き安値からほぼ高値引けしてローソク足は「陽の丸坊主」に似た形状を描いた。終値と高値と安値がそろって切り上がる「赤三兵」が3日連続で出現したこともあり、強い上値追い圧力が窺える。一方、25日移動平均線との上方乖離率は日経平均で4.50%、TOPIXで3.89%といずれも買われ過ぎの5%ラインには届かず、25日線自体の上昇と併せて上値余地を残す格好となっている。
 
 

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