7日の日経平均株価は小幅ながら3営業日続伸し、2万7943円(前日比28円高)引けとなった。寄り付きは、6日の米国株高や円安進行を支えに買いが先行したが、直ぐに利益確定売りが出て、いったん下げに転じた。その後、上げ下げを繰り返し、再び盛り返す場面もあった。円安を背景に自動車など輸出関連株を中心に堅調に推移し、後場序盤には2万8094円(同178円高)まで上昇した。ただ、買い一巡後は利益確定売りに伸び悩んだ。時間外取引で米株価指数先物が一段安となり、重しとなった。
終値で2万8000円を維持できず、「目先達成感も意識される」との声が聞かれた。5月12日安値(取引時間中で2万5688円)から、この日の高値で2400円超上昇した計算になり、上昇ピッチの速さから、上値では利益確定売りが出やすいとみられる。
むろん、円安に伴い、輸出関連企業の採算改善が期待されるが、「円安があまりにも進み過ぎると国内物価・消費に影響を与えることになり、望ましくない」との見方も根強い。
あす8日の日経平均株価は、上値の重い展開か。
週末に日経平均先物・オプション6月限のメジャーSQ(特別清算指数)算出を控えるなか、SQ週の中日となる水曜日は機関投資家の持ち高調整の売買が膨らみ、相場が荒れやすいとされており、思惑的な売買に揺れる可能性もあるだろう。
国内では「Go To」再開期待が高まり、先々では訪日外国人客数の回復も見込まれる。国防への意識が高まり、防衛関連も大きなテーマになりつつある。金利上昇に弱いグロース株を嫌ったとしても、買える銘柄は多い。防衛関連は直近で買われすぎの感があり、川崎重工の件がなくても、いつクールダウンの売りが出てきてもおかしくなかった。新たな主役の登場が期待されるタイミングで、自動車、市況関連、金融、この辺りがその役目を担うことができるかが注目される。
■上値・下値テクニカル・ポイント(7日現在)
28825.03 均衡表雲上限(週足)
28698.78 ボリンジャー:+3σ(13週)
28578.72 均衡表雲下限(週足)
28495.58 ボリンジャー:+3σ(25日)
28192.34 ボリンジャー:+2σ(13週)
28172.36 ボリンジャー:+1σ(26週)
27953.89 ボリンジャー:+2σ(25日)
27943.95 ★日経平均株価7日終値
27939.72 200日移動平均線
27685.89 ボリンジャー:+1σ(13週)
27628.83 6日移動平均線
27457.89 新値三本足陰転値
27412.20 ボリンジャー:+1σ(25日)
27346.35 均衡表転換線(日足)
27314.54 26週移動平均線
27179.45 13週移動平均線
27034.95 均衡表基準線(週足)
27005.38 均衡表雲上限(日足)
26891.42 均衡表転換線(週足)
26891.42 均衡表基準線(日足)
26870.51 25日移動平均線
26821.95 75日移動平均線
高値と安値も昨日水準を上回り、終値は1月5日以来およそ5か月ぶりに200日移動平均線を上回った。株価下方では25日線と75日線がゴールデンクロスを示現し中期的な上昇トレンド継続を示唆している。
一方、2日続けてザラ場2万8000円超えの後に終値2万8000円割れとなって上値での強い売り圧力が意識される。本日のローソク足は小陰線で終了し、上下のヒゲと胴体がいずれも短い「星」に似た形状を高値圏で描いたこともあり、短期的な上値追い局面終了のリスクにも留意が必要となろう。
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