今週は軟調な展開となった。ロシアのウクライナに対する軍事行動が長期化するとの警戒が日増しに強まる中、原油や非鉄金属など商品市場の値動きも荒くなった。
日経平均は週明けから大幅安となって昨年来安値を更新すると、節目の2万5000円を割り込み、2万4600円台まで下落した。
9日まで4日続落となり、この間の下げ幅は1800円を超えた。産油国の増産観測が出てきたことで原油価格が急落したことから、10日には強烈な買い戻しが入って1000円近い上昇。しかし、翌11日は長期金利上昇や不調に終わった停戦交渉を嫌気して大幅安となり、週間でも下落で終えた。
日経平均は週間では約822円の下落。週足では4週連続で陰線を形成した。
来週(14-18日)の日経平均株価は、ウクライナ問題の長期化で上値の重い展開が予想される。ウクライナ危機をめぐって、ロシアの侵攻が長引く懸念が強まっている。鎮まらない地政学リスクは物価高を通じ、FRB(米連邦準備制度理事会)の一段のタカ派傾斜にもつながり、引き続き戻り売り圧力が意識される。
来週は一大イベントのFOMC(米連邦公開市場委員会)を15、16日に控え、15日~16日にFOMC、17日~18日に日銀金融政策決定会合が予定されている。
金融引き締めへの不安が先行する可能性がある。パウエルFRB議長は0.25%と穏健な利上げ幅を示唆しているが、10日に発表された米2月CPI(消費者物価指数)上昇率は、40年ぶりの伸びとなる前年同月比7.9%を記録。金融引き締め強化の観測を強めた。
前半はFOMC前にポジションを縮小する動きが広がる可能性がある。ただ、0.25%の利上げは既定路線とはいえ、先行して株価が調整した状態で結果を見た場合、イベント通過の安心感が膨らむことも想定される。
日銀会合はFOMC通過後で注目度も低いだろうが、インフレ抑制は世界の課題にもなってきており、何らかの政策変更・修正があった場合には相場をかく乱する可能性がある。
日経平均は10日に972円高となるなど、安値圏で強い上昇も見られた。ここから一段安になるようであれば、3月の権利取りを意識した実需の買いも入ると思われる。強弱感が交錯する中で方向感は定まらず、日々振れ幅の大きな動きが続くと予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(11日現在)
27418.19 ボリンジャー:+1σ(25日)
27276.20 均衡表雲下限(日足)
27032.81 ボリンジャー:-1σ(26週)
26872.13 均衡表雲下限(週足)
26748.03 均衡表転換線(週足)
26558.76 25日移動平均線
26363.96 ボリンジャー:-1σ(13週)
26281.22 均衡表基準線(日足)
25970.82 新値三本足陽転値
25847.50 均衡表転換線(日足)
25782.28 ボリンジャー:-2σ(26週)
25699.32 ボリンジャー:-1σ(25日)
25278.27 ボリンジャー:-2σ(13週)
25261.42 6日移動平均線
25162.78 ★日経平均株価11日終値
24839.89 ボリンジャー:-2σ(25日)
24531.75 ボリンジャー:-3σ(26週)
24192.59 ボリンジャー:-3σ(13週)
23980.46 ボリンジャー:-3σ(25日)
ローソク足は大陰線を引いたが、長めの下ヒゲを出して終値は節目の25000円をキープし、2日連続で5日移動平均線を超過。上値の重さを再確認する一方、下値での一定の買い需要を窺わせた。下向きの25日線とのマイナス乖離率は5.26%(昨日3.61%)と再び5%ラインを上回っており、25日線下降による強い下落圧力と25日線比での売られ過ぎによるリバウンド圧力が拮抗する形で今週の取引を終えた。
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