「プライドと好奇心」
3連休明けのNY株式市場は下落。
NYダウは5日ぶり、NASDAQは6日ぶり、S&P500は7日ぶりの反落となった。
S&P500は3週間ぶりの大幅安。
当然ながら「北朝鮮情勢を巡る緊張が再び高まっていることが市場の重石」との解釈。
もっともS&P500は一時1.2%下落から下落幅を縮小し0.76%の下落。
最高値水準での推移が続いていたこともあり1%超下落することは少ない状況。
NASDAQは0.93%下落。
もっともVIX(恐怖〉指数は上昇したとはいえ12.23。
3ヶ月後の変動率のVXVは14.63。
10年国債利回りは2.075%まで低下(価格は上昇)。
10ヶ月ぶりの低水準となった。
米南部に接近している新たな大型ハリケーン「イルマ」を巡る懸念。
これが債券への逃避買いという見方が背景にある。
ドルは対円で下落。
一時108,65円となり8月25日以来の安値を更新した。
「リスク回避の傾向が強くなっており、その大部分は北朝鮮問題に起因する」という声が聞こえる。
しかしややポジショントーク的。
7月の製造業受注は前月比3.3%減と2014年8月以来、2年11カ月ぶりの大幅な落ち込みで着地。
ただほぼ市場予想と一致した。
コア資本財は速報値から上方修正。
第3・四半期初めに企業支出が底堅かったことになるとの解釈。
6月の製造業受注は当初発表の3.0%増から3.2%増へ上方修正。
8月の英サービス部門PMIは53.2と7月の53.8から低下。
昨年9月以降で最低となった。
市場予想の53.5も下回った。
「インフレ高進やポンド安の影響が消費者に及んできた。EU離脱懸念で景気失速」との印象。
火曜の日経平均は寄り天。
意外感を伴ったプラスは10数分程度。
あとは一気に下落したという印象。
2日連続で3ケタの下落え週末より300円以上安くなった。
もっとも「トヨタやパナソニックは終日プラス展開。
警戒感が一段と高まったわけではない。
メジャーSQ週だけに荒れやすい」という声もある。
後場寄りから大引けには300円ほど戻した格好だが結局は底値圏でのもみ合い。
TOPIXの下落率は0.8%。
しかし小型株指数は1.62%下落。
マザーズ指数は4,65%と今年2番目の下落率(下落幅のマイナス50ポイントは今年最大)。
もっとも・・・。
マザーズは北朝鮮リスクで売られたというよりは「中国のIOC禁止からフィンテック関連の崩れ」。
この影響の方が大きかった。
石川製作所の大幅高や電磁波シールドの阿波製紙や技研興業のストップ高の動き。
これは北朝鮮を材料にした買いもあるということになろうか。
「9月に日本郵政を売り出すのなら財務省は相場の急落はないと見ているのだろう」と言う声もある。
その日本郵政は年初来安値更新。
大引け後にはリクルートとともに225採用が発表された。
「政府支援措置」という声もある。
225先物大証夜間取引終値は日中比70円安の19360円。
もっとも現物終値は19385円だったからNYダウ株式の大幅安とは趣の異なる印象。
月曜に休んでいた分だけNYの下げは大きかったということだろうか。
25日線(19653円)からの乖離はマイナス1.4%。
200日線(19380円)が8月29日のようにサポートしてくれるかどうかが課題となる。
ボリンジャーのマイナス2σは19173円、マイナス1σは19413円だ。
各移動平均線の収束は変化の兆しでもある。
黒い勝手雲は20日は白くねじれそう気配。
騰落レシオは96.75%まで低下。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲12.708%(前日▲13.844%)。
買い方は▲8.801%(前日▲6.804%)と悪化した。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方は▲1.18%(前日▲6.26%)と好転。
6月12日の▲5.12%を超えた。
もしもプラスになれば新興市場の逆襲のサインだろう。
買い方は▲19.95%(前日▲15.65%)と泥沼状態。
4月14日の ▲19.41%を超えたから反撃のサインでもあろうか。
空売り比率は45.2%まで増加。
4月6日の45.2%に並んだ。
昨年6月9日の47.0%を超えれば反発域と考えたくなる局面でもある。
昨夜安倍首相が公邸に宿泊したことは気にかかる。
ウラジオストックで「東方経済会議」。
そして満月の6日。
始まった。
というのは日経朝刊の新連載小説「愉楽にて」。
いきなりシンガポールでの38歳の駐在員妻との情事からのスタート。
女の言葉は「もう帰らなくちゃ」。
「プライドと好奇心」というのが今朝のキーワードだった。
「なんだったらもういっぺんどう?」よりは気が利いている。
林真理子さんの「愉楽効果」が市場に現れるかどうか。
「甘苦上海」の第二の高木のぶ子になれるかどうか。
今日はその試金石でもある。
上海から場所をシンガポールに移すというのは結構いいかも知れない。
日経商品面での「金相場見通しを聞く」。
登場したのはロイターのGFMSという不思議な肩書の外国人。
「金利の付かない金には低金利は追い風。
米株高への警戒感も強く、株から金への資金シフトが進むだろう。
外貨準備をドルから金にする動きは続く」。
ポジショントークっぽいコメントが散りばめられている格好だ。
もう一人は「マーケットアナリスト」という意味不明な肩書の日本人。
「金の高値は9月がピーク。
一連の北朝鮮問題は年末までに陳腐化して材料視されなくなるだろう。
トランプ政権のインフラ投資と大型減税策に何らかのメドが立つはずだ。
ある程度の減税幅で期待感からのドル高につながるだろう」。
北朝鮮問題の陳腐化という言葉が妙に耳に残るが、この人もポジショントークだろうか。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
中本パックス(7811)・・・動兆
中本パックスに注目する。
同社はグラビア印刷を軸にラミネート、コーティング事業を展開。
食品包装、IT・工業材、医療が中核。
中国向け食品用が拡大基調。
自動車等も期待感。
昨日から東証1部上場。
(兜町カタリスト櫻井)
