ダウ87ドル安、朝高も午後に売り

12日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比87ドル72セント(0.3%)安の3万4220ドル36セントと、ほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。
 
朝方発表された注目の3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇と、40年ぶりの高い伸びを記録したが、市場予想にほぼ沿った内容。コアCPIは6.5%上昇と、予想(6.6%上昇)を下回り、インフレをめぐる過度の警戒感が後退し米長期金利が低下した。最近の金利上昇時に相対的な割高感から売られていた高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが先行した。ダウ平均は朝方に361ドル高まで上昇する場面があった。
 
買い一巡後は次第に売りが勢いを増し、ダウ平均は午後に下げに転じた。市場では「物価は高止まりし、FRBが積極的に金融引き締めを進める状況は続く」との観測は根強い。12日午後にはブレイナードFRB理事が「インフレの抑制が最も重要な仕事だ」と述べたと伝わり、金融引き締めペースの加速に伴う景気減速への警戒から幅広い銘柄が売りに押された。
 
ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが下落した。ともに朝方に大きく買われた後は売りに押され、この日の安値圏で終えた。
 
長期金利の低下を受けて、JPモルガン・チェースなど金融株が売られた。クレジットカードのビザと同業のアメリカン・エキスプレスも下げた。アナリストが投資判断を引き下げたネットワーク機器のシスコシステムズは2%下げた。一方、米原油先物相場が7%上げたのを受け、石油のシェブロンが2%上昇した。飲料のコカ・コーラなどディフェンシブ株の一角も高い。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比40.384ポイント(0.3%)安の1万3371.572で終えた。約1カ月ぶりの安値となった。半導体のエヌビディアと同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がともに2%下げた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,220.36-87.72
S&P500種
4,397.45-15.08
ナスダック
13,371.572-40.384
FTウィルシャー5000
44,789.13-90.04
NY金(ドル/トロイオンス)
1,976.10+27.90
NY原油(ドル/バレル)
101.09+0.49
円・ドル
125.38 – 125.41-0.14
 
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は下落した。
6月物は前日比430円安の2万6300円で引け、12日の大取終値を20円下回った。米金融引き締めペースの加速見通しが根強く、売りに押された。朝方は買いが先行した。
米3月消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇と40年ぶりの伸びとなった。変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数では、前月比の伸び率が市場予想を下回った。高インフレへの警戒がやや薄れ、日経平均先物は米株とともに上げる場面があった。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26300 ( -20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26335 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7576.66(-41.65)
12日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ41.65ポイント(0.55%)安の7576.66で引けた。原油先物価格が上昇しており、インフレによる景気減速を懸念した売りが優勢だった。個別銘柄を見ると、英製薬大手アストラゼネカが3.3%安と軟調。英金融大手HSBCホールディングス、同スタンダード・チャータードがいずれも2.6%安とさえなかった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14124.95(-67.83)
12日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比67.83ポイント(0.48%)安の1万4124.95で終えた。ロシアがウクライナに対し化学兵器を使用する可能性に警戒感が強まっている。ウクライナ情勢の長期化による欧州経済への悪影響を警戒し、売りが優勢だった。DAXではドイツ銀行が9.4%の大幅安だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6537.41(-18.40)
フランスCAC40種指数は0.28%安となった。
欧州の投資ファンドがドイツ銀行と独コメルツ銀行の株式を現金化したとの報道を受け、欧州全体で銀行セクターが売られたCACでも仏金融大手ソシエテ・ジェネラルが1.9%安と売られた。
 

 

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