7日のNYダウ工業株30種平均が3営業日ぶりに反落し、前日比82ドル76セント安の2万4801ドル36セントで終えた。
関税導入を巡る対立でコーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任が報じられ、トランプ政権の先行き不透明感から売りが先行した。
1月貿易収支で赤字幅が9年ぶりの高水準となったことも嫌気された。
中国などとの貿易摩擦の悪影響を受けるとの見方から、建機のキャタピラーや航空機のボーイングなどが下げた。自動車株にも売りが優勢になる場面があった。
米経済の先行き不透明感が強まり、金融株や消費関連株も売られた。ダウ平均は349ドル安まで下げ幅を広げる場面があった。
引けにかけては買いが優勢になり、ダウ平均は一時34ドル安まで下げ渋った。午後にホワイトハウスが、トランプ大統領が今週中に関税の詳細を発表すると明らかにした。
貿易相手国に一律に関税を課す強硬な政策が回避され、米経済への打撃が小さくなるとの安堵感が買いを促した。下げ幅をやや縮小したものの、相場を押し上げるには至らなかった。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同24.642ポイント高の7396.649で終えた。ダウ平均が下げ渋ったのに歩調を合わせ、上げに転じた。主力ハイテク株に値ごろ感からの買いが入った。
セクター別では、ソフトウェア・サービスやヘルスケア機器・サービスが上昇する一方で食品・生活必需品小売やメディアが下落した。
個別では、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け売られた。四半期決算で1株利益などが市場予想を下回った1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)も大幅安だった。
一方で、決算が市場予想を上回ったカジュアル衣料のアバクロンビー・アンド・フィッチが高い。税務サービスのH&Rブロック(HRB)は、売上高が予想を上振れ大幅上昇。ソフトウェアのオートデスク(ADSK)は、決算内容が好感され急騰した。
VIX指数は17.76と低下(前営業日18.36)。コーン米国家経済会議(NEC)委員長の辞任により、米株式市場オープン前に先物価格が下がっていたことで、VIX指数は20.49まで上昇した。
しかし、ダウ平均の下げ幅徐々に縮まり、ナスダック総合はプラスに転じたことでVIX指数は一時17.52まで下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,801.36-82.76
S&P500種
2,726.80-1.32
ナスダック
7,396.649+24.642
米10年債利回り(%)
2.8827 +0.006
米2年債利回り(%)
2.2539 +0.008
NY金(ドル/トロイオンス)
1,327.60-7.60
NY原油(ドル/バレル)
61.35-1.25
円・ドル
106.04 – 106.05 +0.33
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
3月物は前日比195円安の2万1440円で引け、同日の大取終値を240円上回った。
コーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任表明を受け、トランプ米政権の通商政策の強硬化への懸念が広がった。ただ、引けにかけては、米政府が鉄鋼などの輸入制限に柔軟な姿勢を示したとの見方から米株とともに下げ渋った。
この日の3月物安値は2万1190円、高値は2万1485円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21440 ( +240 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21450 ( +250 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7157.84(+11.09)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日6日の終値に比べ11.09ポイント高の7157.84で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。航空機エンジンのロールス・ロイスの急伸と保険株の上げが株価指数を押し上げた。
個別では、ロールス・ロイスは11%高。通期決算で税引き前利益が市場予想を上回ったほか、さらなるコスト削減などにより2020年の業績目標を達成できるとの自信を示したことが好感された。
アヴィヴァなど保険株も買われた。リーガル・アンド・ゼネラル(L&G)は、通期営業利益が市場予想を上回る増加となったことから上昇した。
梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは5%超上がった。
半面、原油安を背景に、石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルは下がった。銅価格の下落を受けて、フレスニージョなど鉱業株も売られた。
広告のWPPグループも大幅安。日用品世界最大手の米プロクター・アンド・ギャンブルが、向こう3年の広告代理店への支出を削減すると伝わったことが売り材料となった。
ブックメーカーのパディパワー・ベットフェアは、販売などへの追加投資計画が嫌気され下がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12245.36(+131.49)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日6日と比べて131.49ポイント高の12245.36だった。米国が保護主義的な通商政策に傾くとの懸念から午前は下落したが、午後には上昇に転じた。
個別では、航空のルフトハンザと医療機器のフレゼニウス、不動産のボノビアの上げが目立った。
下落したのは、自動車のフォルクスワーゲンとドイツテレコム、日用品のバイヤースドルフの3銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5187.83(+17.60)
