2日のNYダダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比81ドル25セント高の2万3516ドル26セントと、7営業日ぶりに過去最高値を更新した。
次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の発表や、明日の雇用統計結果を見極めたいとの思惑から小動きとなった。
次期FRB議長にはパウエルFRB理事が新たに指名された。パウエルFRB理事の指名は株式相場に好材料とみなされ、買いを誘った
良好な米景気を示す指標も相場を後押しした。2日朝に発表された週間の米新規失業保険申請件数は、22万9000件と市場予想に反して前週から減少した。7~9月期の米労働生産性指数は前期比年率3%上昇と市場予想以上に改善した。
米下院が公表した税制改革案が投資家心理の改善に繋がらなかった
米下院共和党は2日、税制改革案を提示した。焦点となる法人税率は現在の35%から20%へ大幅に引き下げ恒久措置とする。法案が可決されるかは不透明との見方も多く、相場を方向付ける材料にはならなかった。また、ハイテク株が売られたことも相場の上値を抑える一因となった。
ナスダック総合株価指数は小幅に続落した。前日比1.590ポイント安の6714.943で終えた。交流サイト(SNS)のフェイスブックが売られた。前日夕に好決算を発表したが、不法な広告や投稿への対策費用が膨らむとの懸念が浮上した。アマゾン・ドット・コムも下落し、指数の重荷となった。
セクター別では、各種金融や銀行が上昇する一方で耐久消費財・アパレルやメディアが下落した。
個別では、決算が市場予想を上回り、運営する「ケンタッキー・フライド・チキン」などの既存店売上高が伸びたファストフードのヤム・ブランズ(YUM)が高かった。決算が市場予想を上回った衣料のラルフローレン(RL)も買われた。
一方、決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったうえ、通期の業績見通しも下方修正した日用品のニューウェル・ブランズが大幅安。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は決算で赤字幅が拡大し、下落。SNSのフェイスブック(FB)は予想を上回る決算を発表したものの、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)などと共に、米大統領選へのロシア介入疑惑への対応が不十分と非難されており、規制強化や対策費用増加への懸念から軟調推移した。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,516.26+81.25
S&P500種
2,579.85+0.49
ナスダック
6,714.943-1.590
米10年債利回り(%)
2.3468 -0.029
米2年債利回り(%)
1.612 -0.008
NY原油(ドル/バレル)
54.81+0.27
円・ドル113.92 – 113.93 -0.16
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。12月物は前日比30円高の2万2560円で引け、同日の大取終値を80円上回った。米ダウ工業株30種平均の最高値更新を好感した。
2日午後に米連邦準備理事会(FRB)次期議長にパウエルFRB理事が指名され、株式相場に好材料とみなされた。円が小幅反発し、相場の上値を押さえた。この日の12月物高値は2万2570円、安値は2万2370円。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日1日の終値に比べ67.36ポイント高の7555.32で引けた。石油株の上げが指数を押し上げ、構成銘柄の8割近くが上昇した。イングランド銀行(英中央銀行)は2日、10年4カ月ぶりに利上げを実施した。今後の追加利上げについては、非常に緩やかに進めると示唆したことを受けてポンドが売られると、株価指数は一段高となった。
石油株が買われた。ロイヤル・ダッチ・シェルは、四半期利益が市場予想を上回ったことが好感され買いが広がった。BPは、アナリストによる株価目標引き上げなどを受けて上昇した。
半面、四半期利益が減少した通信のBTグループは売られた。金関連のランドゴールド・リソーシズも7%超下がった。四半期の生産と利益がともに縮小したことが響いた。同業のフレスニージョも下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに反落した。終値は前日比24.58ポイント安の13440.93だった。
四半期決算を発表した医療機器のフレゼニウスは売られた。半導体のインフィニオンテクノロジーズと、放送大手のプロジーベンザット1メディアも下落した。一方で、ドイツ銀行とコメルツ銀行、不動産のボノビアは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5493.63 -0.50
欧州の主要株式市場では、イタリアの株価指数FTSE・MIBの終値が前日1日に比べて0.24%上昇し23046.05と、終値ベースで2015年8月中旬以来の高値で引けた。
