18日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比366ドル58セント(1.1%)高の3万4951ドル93セントと、2022年4月以来、1年3カ月ぶりの高値で終えた。
これまでに発表された23年4~6月期決算で市場予想を上回る内容が相次いでいる。投資家心理が改善しており、金融株などを中心に幅広い銘柄に買いが広がった。
ダウ平均の7日続伸は21年3月以来、2年4カ月ぶりとなる。
米銀行大手バンク・オブ・アメリカがこの日公表した4~6月期の決算は、利益が市場予想を上回るなど好調を維持。市場では「米景気が底堅い」との見方が広がり、金融など景気敏感株に買いが入った。パソコンソフトに対話型人工知能(AI)を搭載する新サービスの料金を発表したマイクロソフトの株価は4%伸び、相場を支えた。
一方、米金融大手モルガン・スタンレーの決算は増収減益だったものの、利益が市場予想を上回ったことが好感され、終値は6.5%高だった。
19日に決算発表を控える同業のゴールドマン・サックスにも買いが及んだ。
アナリストが投資判断を引き上げた医療保険のユナイテッドヘルス・グループの上昇が目立った。ソフトウエアのマイクロソフトは4%高となり、最高値を更新した。交流サイトのメタプラットフォームズなど、人工知能(AI)関連の提携拡大を相次いで発表したことが好感された。
18日発表の6月の米小売売上高は前月比0.2%増と、市場予想(0.5%増)を下回った。自動車・同部品を除いた売上高も0.2%増と、市場予想(0.3%増)に届かなかった。消費の減速が景気の悪化を示すとの受け止めから、取引開始直後は小幅に下げる場面があった。一方、「消費の減速はインフレ鈍化につながり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの懸念を和らげる」との声もあった。
個別では、通信のベライゾン・コミュニケーションズが9営業日ぶりに反発。建機のキャタピラー、バイオ製薬のアムジェンも買われた。一方、機械のハネウェル・インターナショナル、クレジットカードのビザが下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比108.693ポイント(0.8%)高の1万4353.642だった。昨年4月以来の高値。半導体のエヌビディア、電気自動車のテスラが買われた。
S&P500種株価指数も続伸し、前日比32.19ポイント(0.7%)高の4554.98と、1年3カ月ぶりの高値で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比400円高の3万2740円で終えた。
米銀行大手の決算が好調だったことなどを受け、米株式相場が大きく上昇した。投資家心理が強気に傾くとの見方から日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32740 ( +360 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32790 ( +410 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7453.69(+47.27)
18日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日に比べ47.27ポイント(0.64%)高の7453.69で取引を終えた。
米大手金融機関が好調な決算を発表したのを受け、英銀行セクターにも買いが波及した。18日発表した2022年12月~23年5月期決算で、売上高が市場予想を上回り、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が黒字化したネット専業スーパーのオカド・グループが前日比19%高と急伸し、食品・生活必需品小売りセクターも上昇した。
CAC40 7319.18(+27.52)
