2日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比596ドル40セント(1.8%)高の3万3891ドル35セントで終えた。上げ幅は一時700ドルを超えた。
ロシアがウクライナとの停戦協議を再開する意向を表明したとの報道を受け、地政学リスクの緩和を期待した買いが入った。今週に入り下げがきつかった景気敏感株に加え、原油高で資源関連株への買いが目立った。
両国は2日に再協議する見通しだったが、ウクライナ政府は3日に行うと発表したようだ。双方の立場は隔たりが大きいが、停戦協議の継続自体は投資家心理の改善につながった。
パウエル議長はこの日、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げが適切との考えを示し、事実上のゼロ金利政策を解除する方針を明言。ロシアによるウクライナ侵攻を背景に原油価格が急伸し、インフレ懸念が一段と高まる中、過度に積極的な利上げに対する警戒感が後退し、米金融政策の先行きをめぐる不透明感が和らいだ。
議長発言を支援材料に幅広い銘柄に買いが入り、ダウは終日堅調な値動きを維持した。
また、米民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した2月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は前月比47万5000人増と、市場予想の38万8000人増を上回った。今週末に発表される雇用統計を控え、市場の地合いを強める要因となった。
相対的に安全資産とされる債券は売られ、米長期金利は一時1.91%と前日比0.17%上昇した。前日は投資家が運用リスクを回避する目的で株式から債券に資金を移す動きが鮮明だったが、2日は一転して債券売り・株買いが優勢となった。
建機のキャタピラーが5%高、化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエムも上昇し、前日に下げが目立った景気敏感株に買いが入った。ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースなど金融株も反発した。米原油先物が2011年5月以来の水準に上昇したのを受け、石油のシェブロンは3%上げた。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比219.557ポイント(1.6%)高の1万3752.016で終えた。スマートフォンのアップルが高い。エヌビディアなど半導体株への買いも目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,891.35+596.40
S&P500種
4,386.54+80.28
ナスダック
13,752.016+219.557
FTウィルシャー5000
44,944.39+828.11
NY金(ドル/トロイオンス)
1,922.30-21.50
NY原油(ドル/バレル)
111.40+7.99
円・ドル
115.51 – 115.54+0.36
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前日比245円高の2万6670円で引け、2日の大取終値を310円上回った。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の利上げに関する発言が好感された。また、ロシアがウクライナとの停戦協議を再開する意向を示したとの報道を受けて投資家心理が改善し、日経平均先物は米株とともに買われた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26670 ( +310 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26680 ( +320 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7429.56(+99.36)
2日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ99.36ポイント(1.36%)高の7429.56で引けた。対ロ制裁措置を受けた商品価格の高騰で、石油や鉱業など資源関連株が上昇し指数を押し上げた。
原油高を背景に英石油大手シェル、同BPがそれぞれ5%近い上昇となった。半面、ロシアの鉄鋼大手エブラズはこの日も40%超の暴落だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14000.11(+95.26)
2日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比95.26ポイント(0.69%)高の1万4000.11で終えた。前日の大幅下落を受け、自律反発を狙った買いが優勢だった。2日の米株式相場が反発して始まったことも投資家心理を支えた。
個別では、欧州航空機大手エアバスが5.5%高と堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6498.02(+101.53)
フランスCAC40種指数は1.59%高となった。フランス金融大手BNPパリバが2.1%高と締まった。
