ダウ5日続落326ドル安、インフレ定着を警戒

 
11日のNYダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比326ドル63セント(1.0%)安の3万1834ドル11セントで終えた。連日で年初来安値を更新した。
ナスダック総合株価指数は前日比373.435ポイント(3.2%)安の1万1364.236で終え、多くの機関投資家が運用の指標にするS&P500種株価指数は前日比65.87ポイント(1.6%)安の3935.18で終えた。いずれも年初来安値を更新した。
 
朝方発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が強弱入り交じる内容だったことを受け、ダウ平均は取引前半のほとんどをプラス圏で推移。前日までの4営業日続落を受けて安値拾いの買いも入った。ただ、インフレ高止まりに対処するために米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な利上げを続けるとの見方が重しとなり、ダウは取引後半にマイナス圏に沈んだ。
CPIは前年同月比8.3%上昇と、伸びは前月(8.5%上昇)から減速したが、市場予想(8.1%上昇)は上回った。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も、前月から伸びが減速したものの市場予想を上回った。食品とエネルギーを除くコア指数も上昇率は6.2%と市場予想(6.0%)以上だった。「長期的なインフレの高止まりが意識され、FRBの金融引き締めを後押しする内容だった」との指摘があった。
 
金利上昇局面で相対的な割高感が意識される高PER(株価収益率)のハイテク株が売られた。スマートフォンのアップルが5%安、顧客情報管理のセールスフォースは4%安で終えた。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが8%安、半導体のエヌビディアが5%安と下げが目立った。
 
インフレが消費を冷やすとの見方も強まり、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、スポーツ用品のナイキなど消費関連株も下げた。
 
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,834.11-326.63
S&P500種
3,935.18-65.87
ナスダック
11,364.236-373.435
FTウィルシャー5000
39,734.38-724.23
NY金(ドル/トロイオンス)
1,853.70+12.70
NY原油(ドル/バレル)
105.65-0.06
円・ドル
129.91 – 129.92-0.05
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
11日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比275円安の2万5835円で引け、11日の大取終値を415円下回った。
朝方発表になった4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、利上げ加速を警戒する売りが出た。この日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均など主要株価指数が軒並み年初来安値を更新し、投資家心理を冷やした。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
25835 ( -415 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
25850 ( -400 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7347.66(+104.44)
11日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前日に比べ104.44ポイント(1.44%)高の7347.66で引けた。原油先物価格の上昇で、エネルギー株に買いが入った。
FTSEの個別銘柄を見ると、スイス資源大手グレンコアが4.5%高と堅調。英石油大手シェル、同BPはいずれも3.7%高と締まった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13828.64(+293.90)
11日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続伸した。前日に比べ293.90ポイント(2.17%)高の1万3828.64で終えた。中国・上海市の新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあり、中国景気の悪化が世界的な景気減速に広がるとの悲観的な見方が後退した。消費財や金融など景気敏感セクターが買われた。
DAXでは独保険大手アリアンツが5.9%の大幅高だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6269.73(+152.82)
CACは仏複合企業LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が4.3%高と買われた。
 
 

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