8日のNYダウ工業株30種平均は8営業日ぶり反落し、前日比40ドル33セント(0.11%)安の3万4112ドル27セントで終えた。
この日は相場に影響するような材料に乏しく、前日まで7営業日続伸していたことを受けてこれまで買われてきた銘柄が売られた。原油安を背景にエネルギー関連株を手放す動きも広がった。
ダウ平均は前日までの7営業日の間に1700ドルあまり上昇し、短期間に大きく水準を切り上げていた。8日は利益確定や持ち高調整の売りが優勢になり、一時は150ドルあまり下げた。
朝方は買いが先行し、ダウ平均は午前に100ドル上げる場面があった。前週発表の米経済指標が景気減速や労働需給の緩和を示し、市場の一部で米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が強まった。8日の債券市場では米長期金利が4.5%台前半(前日終値は4.56%)で推移する場面が目立った。米長期金利の低下基調で、株式の相対的な割高感が薄れる傾向にある。
市場では「足元の上昇に乗り遅れまいとする機関投資家が相場の動きに追随した買いを入れている」との声があり、株価が下がる場面では押し目買いが入った。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数とハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅に上げて終えた。
ダウ平均ではドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが安い。石油のシェブロンや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株も売られた。一方、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが高い。バイオ医薬品のアムジェンなどの業績が景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄も上げた。
ナスダック指数は小幅ながら9日続伸した。前日比10.558ポイント(0.07%)高の1万3650.414と、10月中旬以来の高値で終えた。9日続伸するのは11連騰した2021年10~11月以来、約2年ぶりだった。画像処理半導体のエヌビディアなどが買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比150円安の3万2330円で引けた。
材料に欠ける中を利益確定売りが先行し、ダウ工業株30種平均が下落。東京株式市場で日経平均株価が下落していたこともあり、シカゴ市場では先物売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
32330 ( +190 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32340 ( +200 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7401.72(-8.32)
8日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続落した。前日に比べ8.32ポイント(0.11%)安の7401.72で終えた。原油先物相場の下落を背景に石油大手の英シェルとBP株に売りが続き、指数を下押しした。エネルギーのほか素材、公益事業株も売られた。
8日のロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で、北海ブレント先物相場は一時1バレル79ドル台後半と7月下旬以来、約3カ月ぶりの安値をつけた。前日発表の中国の貿易統計などをきっかけに中国経済の先行き不透明感が改めて意識された。原油需要の減退につながるとの見方から、原油先物に売りが優勢となった。
半面、飲食料品や消費者サービスの関連株は上昇した。航空機エンジンの英ロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財株の一角も買われた。
FTSEの構成銘柄では、投資会社ハーグリーブス・ランズダウン(2.34%安)や送電大手ナショナル・グリッド(2.06%安)、鉱業大手アングロ・アメリカン(2.06%安)と売られた半面、2023年4~9月期決算が大幅増益になったのとあわせて復配を発表した流通大手マークス&スペンサー(8.39%高)や航空機エンジン製造大手ロールス・ロイス(2.83%高)が買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15229.60(+76.96)
8日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比76.96ポイント(0.50%)高の1万5229.60で終えた。
個別では、2023年7~9月期決算発表とあわせて23年12月期通期の自動車業界における乗用車の生産見通しを引き上げた自動車部品大手コンチネンタルが4.08%高と上昇率トップ。郵便・物流大手ドイツポストが2.87%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.47%高と続いた。
一方、通販大手ザランドが3.52%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.34%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7034.16(+47.93)
フランスCAC40種指数は0.69%高だった。ヘルスケア株の上昇や好調な企業業績を背景に上昇した。
