10日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比84ドル96セント(0.3%)安の3万2160ドル74セントと連日で年初来安値を付けた。
米金融引き締めへの警戒感が強く、11日の4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて買いに慎重な姿勢もみえた。ただ、米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株は買い直され、ダウ平均を下支えした。
ダウ平均は前日までの3営業日で1800ドル超下げたこともあり、安値拾いが入る中、買いが先行。前日終値比での上げ幅は一時500ドルを超えた。だが、買い一巡後は米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げが急速な景気悪化につながるとの見方や、厳格な新型コロナウイルス対策を導入した中国の経済に対する懸念が広がる中、マイナス圏に沈んだ。
足元で売り込まれていたハイテク株が買い直された。顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトはともに2%上げ、スマートフォンのアップルも買われた。
市場では「ウクライナ情勢の不透明感からインフレや金融政策動向を見極めづらく、買いに積極的になれない」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との指摘があった。11日発表のCPIを見極めたいという市場参加者が多かった。
IT(情報技術)のIBMが4%下落した。米長期金利の低下で利ざや拡大の見方が後退したJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株も安い。景気敏感株の一角への売りも続き、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や建機のキャタピラーが下げた。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比114.423ポイント(1.0%)高の1万1737.671で終えた。主力株が軒並み買われた。エヌビディアが4%高となるなど半導体株も総じて買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
32,160.74-84.96
S&P500種
4,001.05+9.81
ナスダック
11,737.671+114.423
FTウィルシャー5000
40,458.61+70.51
NY金(ドル/トロイオンス)
1,841.00-17.60
NY原油(ドル/バレル)
99.43-3.66
円・ドル
130.41 – 130.46+0.07
【シカゴ日本株先物概況】
10日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比130円高の2万6110円で引け、10日の大取終値を160円下回った。
米長期金利の低下を好感しナスダック総合株価指数が反発し、買いを支えた。インフレの重要指標となる4月の消費者物価指数(CPI)の発表を11日に控えて警戒感も強く、終日神経質な展開が続いた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26110 ( -160 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26130 ( -140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7243.22(+26.64)
10日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日に比べ0.37%高の7243.22で引けた。前日に大幅安となっていたため、短期的な戻りを見込んだ買いが入った。
FTSEの個別銘柄を見ると、英食品・日用品大手ユニリーバが1.8%高、英資産運用大手シュローダーは2.6%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13534.74(+154.07)
10日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反発した。前日に比べ154.07ポイント(1.15%)高の1万3534.74で終えた。前日まで大幅に4日続落していた反動で自律反発を狙った買いが入った。DAXでは独医薬・農薬大手バイエルが5.4%高と堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6116.91(+30.89)
フランスCAC40種指数は0.51%高となった。前日の大幅安から一転、この日は買い戻しが先行。ただ、反発は比較的小幅にとどまった。CACでは仏金融大手BNPパリバが2.2%高となった。
