ダウ3日続落330ドル安、セールスフォースに売り

30日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比330ドル06セント(0.85%)安の3万8111ドル48セントで終えた。
 
前日の取引終了後に発表されたセールスフォースの2~4月期決算は増収増益。ただ、内容が市場予想との比較では失望を誘うもので、同社の業績に対する悲観的な見方が広がった。同社株は取引序盤から売り込まれ、ダウ平均を大きく押し下げた。

この日公表された1~3月期の米実質GDP(国内総生産)改定値は、個人消費の引き下げが反映され、速報値から下方修正された。GDP統計後に米長期金利が低下。今週は金利上昇が株価の重しとなっており、その要因が緩和された形となったが、セールスフォース主導でダウは終日、軟調な展開が続いた。
 
セールスフォースは19.7%安となった。29日夕発表の2024年2〜4月期決算で売上高が市場予想に届かず、5〜7月期の業績見通しも市場予想を下回った。「人工知能(AI)関連の追い風による業績期待が高まっていただけに売りが広がった」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との見方があった。ソフトウエア関連を中心にハイテク銘柄に売りが波及。マイクロソフトが3.3%下げた。
 
30日発表の24年1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率で1.3%増と速報値(1.6%増)から下方修正された。個人消費の伸び率が引き下げられ「年後半は景気が一段と減速する」との懸念がくすぶった。
 
半面、同時に発表された1〜3月期の米個人消費支出(PCE)物価指数は食品とエネルギーを除くコア指数の伸びが前期比年率で3.6%と、速報値(3.7%)を下回り「米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始を後押しする」(シティグループ)との見方もあった。米連邦準備理事会(FRB)が物価指標として重視するPCE物価指数の4月分が31日に発表されるのを見極めたい雰囲気が強かった。
 
 ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやゴールドマン・サックス、メルクが下落した。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやハネウェル・インターナショナル、ナイキが上昇した。
 
午前にはダウ平均とS&P500種株価指数の更新が1時間あまり停止する場面があった。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズはデータ配信に問題が生じたとしている。更新は正午前に再開した。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比183.501ポイント(1.08%)安の1万6737.079で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズが安い。エヌビディアは5営業日ぶりに反落した。
 

【シカゴ日本株先物概況】

30日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比85円安の3万8230円で終えた。同日は日米株式相場がともに下落した。投資家心理が弱気に傾き、日経平均先物にも売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38230 ( +230 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38235 ( +235 )


( )は大阪取引所終値比
 
 
 

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8231.05(+47.98)
 
30日のFTSE100種総合株価指数は7営業日ぶりに反発し、前日比47.98ポイント(0.58%)高の8231.05で終えた。投資家心理を冷やしていた英米の長期金利上昇が一服し、相場の支えとなった。

英バークレイズなど銀行株が高い。英ユニリーバといった日用品株、資本財関連の銘柄に買いが優勢だった。自動車販売のウェブサイトを運営する英オート・トレーダー・グループ株は、好決算を受けて大幅高となった。他方、エネルギー株やソフトウエア開発のセージ・グループ株は下げた。

FTSEの構成銘柄では、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが12.92%高と急伸。オンライン食品販売大手オカド・グループは6.50%高、小売り大手フレイザーズ・グループは6.06%高、同業JDスポーツ・ファッションも5.60%高と買われた。
一方、会計ソフト大手セージは4.20%安、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーは3.44%安、産銅大手アントファガスタは2.86%安となった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18496.79(+23.50)

30日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比23.50ポイント(0.12%)高の1万8496.79で終えた。欧米の長期金利の上昇(債券価格の下落)が一服し、投資家の警戒感が和らいだ。不動産、公益株にも買いが入った。一方で、ソフトウエア大手の独SAP株には売りが膨らんだ。

 

 

 

個別では、製薬大手バイエルが4.20%高、高級車メーカーのポルシェが2.03%高、コメルツ銀行が2.01%高。半面、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は5.22%安、業務用ソフトウエア大手SAPは4.12%安、医薬大手メルクは2.28%安で取引を終えた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7978.51(+43.48)

フランスCAC40種指数は0.55%高だった。欧州や米国で債券利回りの上昇が一服し、これまで金利高止まり懸念から売り込まれてきた株式を買い戻す動きが優勢となった。
 

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