13日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、前日比37ドル83セント(0.09%)高の3万9043ドル32セントで終えた。
12日に発表された消費者物価指数(CPI)ではインフレ圧力の根強さが示された。それでも利下げ期待が維持されて買われた前日の流れを引き継ぎ、この日は主要経済指標などの手掛かりに乏しかったものの、ダウは取引序盤から買い優勢に推移した。
ダウ平均の上げ幅は200ドルに迫り、2月23日に付けた最高値(3万9131ドル)を上回る場面があった。
ダウ平均の構成銘柄ではスリーエムやキャタピラー、ナイキが上昇した。
ただ、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、インフレの動向を探る上で翌日に公表される卸売物価指数(PPI)が特に注目される中、ハイテク株を中心に売りがかさみ、中盤以降のダウは徐々に上げ幅を縮小。終盤には一時マイナス圏に沈む場面もあった。午後に入り主力株への売りが広がると、ダウ平均の下げ幅は一時60ドルほどに達した。
市場では「13日は中小型株にも買いが広がっており、これまでのハイテク株中心から物色の裾野が広がっている」との声が聞かれた。
米債券市場では長期金利が上昇(債券価格が下落)し、前日終値(4.15%)を上回る4.1%台後半を中心に推移した。金利の上昇で株式の相対的な割高感が意識され、ハイテク株を中心に売りが出た。最近の相場上昇をけん引してきたエヌビディアの下げも市場心理を冷やした面があった。
個別では、シェブロンとホーム・デポ、ゴールドマン・サックスが上昇した。半面、経営陣が低所得層の消費動向に懸念を示したマクドナルドが売られた。米国防総省が先端半導体の生産を目的とする補助金を取りやめたと伝わったインテルは4%安だった。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比87.870ポイント(0.54%)安の1万6177.766で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたテスラが5%弱下げた。アドバンスト・マイクロ・デバイスなど半導体株が全般に売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比505円安の3万8375円で終えた。この日は日経平均株価が3日続落したほか、米株式市場では翌日公表される米物価統計が待たれる中、3日続伸した。
相場上昇をけん引してきた半導体株の下げが目立ち、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
38375 ( +25 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
38455 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7772.17(+24.36)
13日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比24.36ポイント(0.31%)高の7772.17で終えた。終値では2023年5月以来、10カ月ぶりの高値となる。一部金融機関が目標株価を引き上げたスイスのグレンコアなど資源株の一角に買いが入り、指数を支えた。
13日発表の1月の英実質国内総生産(GDP)が前月に比べ増加に転じ、英経済への懸念が和らいだのも投資家心理を支えた。原油先物相場の上昇を背景にエネルギー株が上昇したほか、飲食料品・たばこ株も買われた。半面、前日に上昇が目立っていた保険や銀行株の一部には売りが出た。
FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが5.28%高と上昇率トップ。資源大手グレンコアが4.81%高、鉱業大手アングロ・アメリカンが4.63%高と続いた。一方、小売り大手JDスポーツ・ファッションが4.07%安、通信大手ボーダフォンが4.01%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17961.38(-3.73)
13日のドイツ株価指数(DAX)は横ばい圏で、前日比3.73ポイント(0.02%)安の1万7961.38で終えた。ただ指数の下値は堅く、DAXは取引時間中に節目の1万8000を初めて超える場面もあった。
自動車、ヘルスケアや金融株の一角にも売りが出た。一方で、2024年12月通期の流通総額(GMV)が前期比で増加に転じそうだとの見通しを示したファッション通販のザランド株は大幅高となった。スポーツ用品大手アディダスは13日、2024年12月通期の北米での販売に慎重な見通しを示した。株価は下げる場面があったものの、その後は買いも入り前日比3.8%高で終えた。
他では、自動車大手フォルクスワーゲンが5.89%安、高級車メーカーのポルシェが4.32%安、ドイツ取引所は2.89%安と売られた一方、最大1億ユーロ(約161億円)の自社株買いを発表した通販大手ザランドが18.90%高、エネルギー大手イーオンは6.01%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 8137.58(+50.10)
欧州株式市場で、フランスの主要な株価指数であるCAC40は続伸し、連日で最高値を更新した。銀行やエネルギー株が買われた。フランスCAC40種指数は0.62%高だった。
