23日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比196ドル67セント(0.6%)高の3万5950ドル56セントで終えた。
世界的にオミクロン株の感染拡大が続く中、従来の変異株に比べて重症化リスクが低いとする報告が好感された。南アフリカの研究によれば、別の株に感染した人に比べ入院のリスクが最大約80%低かったという。
また、米食品医薬品局(FDA)が前日、米ファイザーが開発したコロナ経口治療薬に緊急使用許可を出したのに続き、メルクの経口治療薬にも緊急使用を認めたため、オミクロン株をめぐる警戒感の緩和につながった。
機械や素材など景気敏感株を中心に買いが入った。
S&P500種株価指数は3日続伸し、前日比29.23ポイント(0.6%)高の4725.79で終えた。2週間ぶりに過去最高値を更新した。
オミクロン株の感染について21~22日に英国で2件、南アフリカで1件の調査結果が公表され、いずれもデルタ型など他の変異型に比べ入院や重症化のリスクが大幅に低いことが示された。厳しい行動制限が課されて経済活動が停滞することへの警戒感が後退した。
景気敏感株が買われ、建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナル、航空機のボーイングが上昇した。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどの消費関連株も高い。長期金利の上昇で利ざやの改善期待が高まりJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスも買われた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比131.482ポイント(0.8%)高の1万5653.374で終えた。電気自動車のテスラが6%高となり、指数上昇をけん引した。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体関連も買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,950.56+196.67
S&P500種
4,725.79+29.23
ナスダック
15,653.374+131.482
NY金(ドル/トロイオンス)
1,811.70+9.50
NY原油(ドル/バレル)
73.76+1.00
円・ドル
114.34 – 114.44+0.09
【シカゴ日本株先物概況】
23日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比145円高の2万8815円で引け、23日の大取終値を105円上回った。調査結果などを手掛かりに新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」への懸念がやや薄れ、日経平均先物は、米株とともに買い進まれた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28815 ( +105 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28865 ( +155 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7373.34(+31.68)
23日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ31.68ポイント(0.43%)高の7373.34で引けた。終値では11月中旬以来の高値水準となった。構成銘柄の7割超が上昇した。
新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン株」の重症化リスクが低いという研究結果を背景に、投資家の買い安心感が広がった。米国株の上昇を眺めて午後に一段高となった。原油高で石油株が高かった。景気敏感株とされる銀行株や鉱業株も上げた。
個別銘柄では、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.1%高と堅調、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも2.1%高と締まった。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株、B株ともに1%超高でしっかり。金融大手バークレイズは0.8%高だった。
半面、製薬大手アストラゼネカは0.2%安とさえなかった。動物用医薬品のデクラ・ファーマシューティカルズは、利益確定の売りで下落した。たばこ株も売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15756.31(+162.84)
23日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて162.84ポイント(1.04%)高の1万5756.31だった。米株高が波及し、午後に上げ幅を拡大した。
個別では、ポルシェをはじめ自動車株が買われた。タイヤのコンチネンタルの上げが目立った。医薬・化学大手のメルクは安かった。前日に大幅高となった料理宅配大手のデリバリーヒーローは利益確定の売りで下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7106.15(+54.48)
