ダウ3日続伸157ドル高、景気懸念の後退が支え

11日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比157ドル06セント(0.43%)高の3万6404ドル93セントで終えた。2022年1月以来の高値。前週末発表の米雇用統計を受け、景気懸念が後退した。米連邦準備理事会(FRB)が24年前半にも利下げに転じるとの観測も引き続き投資家心理を支えた。もっとも、週内に相次ぐ重要イベントを控えて様子見姿勢が強く、伸び悩む場面もあった。
 
12日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)は横ばいと見込まれているが、「インフレは下がり基調で、利上げの出口は見えつつある」との見方が相場を支えた。ダウは引けにかけて上げ幅が拡大した。
 
8日発表の11月の米雇用統計は市場予想から上振れし、労働市場の底堅さを示した。インフレが鈍化しつつあることを示す指標の発表が増えるなか「米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が高まった」との声が聞かれた。FRBが利上げ局面を終え、来年半ばまでに利下げを開始するとの見方が強まっている。
 
米債券市場では午後に長期金利が上昇幅を急速に縮める場面があった。午後に公表された10年物国債入札は「低調」との受け止めがあったものの、金利上昇が一服したことで株式の相対的な割高感が薄れ、株買いを支えた。
 
個別銘柄では半導体のインテルや機械のハネウェル・インターナショナルの上昇が目立った。アナリストが投資判断を引き上げたスポーツ用品のナイキも高い。一方、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトは売られた。ディフェンシブ株の一角も安い。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸し、前週末比28.513ポイント(0.19%)高の1万4432.486で終えた。22年4月以来の高値。ブロードコムやマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株の上昇が目立った。一方、交流サイトのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベットなど主力ハイテク株は売られた。
 
S&P500種株価指数も3日続伸した。前週末比18.07ポイント(0.39%)高の4622.44と、22年3月以来の高値となった。
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2024年3月物は前週末比525円高の3万3045円で終えた。同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇したほか、今週開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中、NYダウは、3営業日続伸した。米主要3指数がそろって年初来高値を更新し、日経平均先物にも買いが入った。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
33045 ( +325 )


シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
33115 ( +395 )

 
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7544.89(-9.58)
 
11日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前週末に比べ9.58ポイント(0.12%)安の7544.89で終えた。英国時間11日のロンドン金属取引所(LME)の取引で銅やニッケルといった非鉄金属の先物相場が下落したのを背景に、スイスの資源大手グレンコアなど鉱業株の一角に売りが出て、指数の重荷となった。

FTSE100種の下値は限られた。指数は小幅ながら上昇に転じる場面もあるなど、13日以降に米連邦準備理事会(FRB)や英イングランド銀行(中央銀行)が金融政策を発表するのを前に、明確な方向感は乏しかった。一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった英航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングス株が上昇した。英金融大手HSBCホールディングスなど一部の銀行株が午後にかけて下げ幅を縮めたのも、指数を下支えした。

FTSEの構成銘柄では、資源大手グレンコアが3.96%安と下落幅トップ。エネルギー小売り大手セントリカが3.81%安、産金大手エンデバー・マイニングが3.4%安と続いた。小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.38%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは2.63%高だった。

 

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16794.43(+35.21)

11日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末比35.21ポイント(0.21%)高の1万6794.43で終え、再び最高値を更新した。医療機器のザルトリウスや重電大手シーメンスの株価上昇が目立った。仏自動車大手ルノーと電気自動車(EV)の共同開発に向けて協議していると伝わったフォルクスワーゲンなど、自動車株にも買いが続いた。

個別では、製薬大手サルトリアスが2.91%高、分子診断大手キアゲンが1.43%高、総合電機大手シーメンスが1.16%高と買われた半面、通販大手ザランドが2.47%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.46%安、航空エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが2.13%安と売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7551.53(+24.98)
 
フランスCAC40種指数は0.33%高だった。
12日から相次ぎ始まる主要中央銀行の金融政策決定会合を控える中、金利低下への期待を背景に上昇。

 

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