16日のNYダウ工業株30種平均は前日比25ドル88セント高の２万2024ドル87セントで取引を終えた。
北朝鮮情勢に対する懸念後退で欧州株が全面高となり、米国株にも買いが先行した。
米連邦準備理事会（FRB）による緩和的な金融政策が長期化し、株式市場への資金流入が続くとの期待が広がった。一方、トランプ米大統領と主要企業との間で対立が深まったのを受け、ダウ平均は前日終値近くまで伸び悩む場面があった。
FRBが公表した７月25～26日開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）の議事要旨では、多くのメンバーが物価上昇率を目標の２％を下回る状態が「予想以上に長期化する可能性がある」と指摘していたことがわかった。インフレ圧力の弱さが続き、FRBが利上げに動きにくくなるとの観測が買い安心感を誘った。
小売株の上昇も相場を押し上げた。市場予想を上回る2017年５～７月期決算と業績見通しの上方修正を発表したディスカウントストアのターゲット(TGT)が大幅に上昇。これまで売り込まれた小売株に買いが広がった。ホームセンターのホーム・デポが上げ、１銘柄でダウ平均を14ドルあまり押し上げた。
ダウ平均は一時上げ幅を縮小した。バージニア州で発生した白人至上主義者らと反対派による衝突を巡るトランプ大統領の発言を受け、大統領助言組織からメンバーである主要企業トップの脱退が相次ぎ、同組織の解散に至ったことが嫌気され、政権運営への不透明感が相場の重しとなった。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比12.096ポイント高の6345.109で終えた。アルファベット（グーグル）やマイクロソフトなど、主力株の一角が買われ、指数を押し上げた。
セクター別では、素材や小売が上昇する一方でエネルギーや銀行が下落した。
個別では、アパレル小売のアーバンアウトフィッターズ（URBN）は決算内容が予想を上振れ、大幅上昇。前日夕に発表した四半期決算が市場予想を上回った計測機器のアジレント・テクノロジーズが大幅に上昇。金先物相場の反発を受け鉱業のフリーポート・マクモランが買われた。
一方、アップルが下げた。独自のコンテンツにほぼ10億ドルの予算を組んだと伝わり連日で上場来高値を更新したが、その後は目先の利益を確定する目的の売りに押された。
原油相場の下落でマラソン・ペトロリアム(MPC)やや深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移した。
ＮＹダウ工業株30種（ドル）
22,024.87＋25.88
S&P500種
2,468.11＋3.50
ナスダック
6,345.109＋12.096
米30年国債 2.807％
米10年国債 2.222％
ＮＹ原油（ドル/バレル）
46.77－0.78
円・ドル
110.13 – 110.14－0.73
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅反落した。９月物は前日比10円安の１万9710円で引け、同日の大取終値を20円下回った。７月開催分の米連邦公開市場委員会（FOMC）議事録が公表され、利上げに慎重な姿勢が示された。
議事録を受けて円が買われ、日本株には逆風となった。ただ、米株高を背景に下げ幅は限られた。この日の９月物安値は１万9680円、高値は１万9795円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19710 ( -20 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19715 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7433.03（＋49.18）
FTSE100種総合株価指数は３日続伸した。前日終値に比べ49.18ポイント高の7433.03で引けた。構成銘柄の８割が上昇した。夏季休暇シーズンで低調な取引が続く中、金属相場の上昇を追い風に資源株が買われ、指数の上げをけん引した。
鉱業株と石油株がともに全面高で引けた。なかでも資源商社のグレンコアやアングロ・アメリカンが大幅上昇し、指数の上げを主導した。
保険のオールド・ミューチュアルとソフトウエア開発のセージ・グループも高く引けた。それぞれアナリストが予想株価などを引き上げたことが買い手掛かりになった。
半面、保険のアドミラル・グループが大幅下落した。ダイレクトライン・インシュアランス・グループも連れ安した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12263.86（＋86.82）
ドイツ株式指数（DAX）は３日続伸した。終値は前日比86.82ポイント高の12263.86だった。電力のＲＷＥと重電のシーメンス、タイヤのコンチネンタルが高く引けた。
一方、ドイツテレコムやアディダスが下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5176.61（＋36.36）
