1日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比221ドル71セント(0.67%)高の3万3274ドル58セントで終えた。
午前は米連邦公開市場委員会(FOMC)声明公表、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を午後に控えて様子見ムードが強まった。
ただ、低調な米サプライ管理協会(ISM)製造業購買担当者景況指数の発表などを受け、米長期金利が低下したのを眺め、ダウは午後の声明を前に強含みに推移した。
FRBは政策金利を5.25~5.5%に据え置いた。市場の想定通りの結果で、株式市場では発表後に買い安心感が広がった。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、今後の金融引き締め方針について「今後の経済データに基づいて注意深く進める」などと従来の見解を繰り返した。物価上昇率を目標の2%に戻すには経済と労働市場がある程度鈍化する必要があるとの見方を示したものの、一段の利上げに対する警戒は薄れ、会見中に買いの勢いが増した。
「FRBはタカ派の姿勢を維持しようとしたが、市場関係者は追加の金融引き締めがあるとは考えていない」と指摘した。
会見を受けて米長期金利は4.7%台半ばに低下(前日終値は4.93%)した。株式の相対的な割高感が薄れたのも株買いを誘った。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが入り、ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルの上昇が目立った。
朝には米財務省が四半期の国債発行計画を明らかにした。発行額は市場予想より少なく、国債増発に伴って債券需給が緩むとの警戒感が和らいだ。これも米長期金利の低下を促し、株式相場を下支えした面がある。
建機のキャタピラーや半導体のインテル、バイオ製薬のアムジェンが上昇した。半面、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスやスポーツ用品のナイキには売りが出た。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比210.231ポイント(1.63%)高の1万3061.469で終えた。四半期決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が10%弱上昇した。交流サイトのメタプラットフォームズの上昇も目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比500円高の3万1855円で終えた。この日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言などを受けて米長期金利が低下し、ハイテク株に買いが広がる中、3日続伸したほか、日経平均株価も大幅高で終えており、シカゴ市場の先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31855 ( +255 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31875 ( +275 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7342.43(+20.71)
1日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比20.71ポイント(0.28%)高の7342.43で終えた。蒸留酒大手のディアジオをはじめ飲食料品株に買いが入った。食品サービスのコンパス・グループ株やブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメント株も上昇するなど、消費関連銘柄の上昇が指数を支えた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を英国時間1日夕に控え、様子見の雰囲気も出た。1日に四半期決算を発表した製薬大手GSKと、一部金融機関が投資判断を引き下げた英石油大手BPの株価下落が重荷となり、指数は下げに転じる場面もあった。
FTSEの構成銘柄は、通期見通しを上方修正した衣料小売ネクストが3.60%高が上昇率トップだったほか、通信大手エアテル・アフリカが3.44%高、流通大手マークス&スペンサーが3.32%高だった。一方、スタンダード・チャータード銀行は2.92%安、産銅大手アントファガスタは2.38%安、製薬大手GSKは2.36%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14923.27(+112.93)
1日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比112.93ポイント(0.76%)高の1万4923.27で終えた。前日発表されたユーロ圏のインフレ基調鈍化を示す指標などを受けて、欧州中央銀行(ECB)が利上げを終えた可能性が意識されたことが株価を支えた。金融株や公益株に買いが入った。
米国で1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されるのを前に様子見ムードもあり、指数は前日終値を下回る場面もあった。
個別では、ハノーバー再保険(3.02%高)や製薬大手サルトリアス(2.54%高)、防衛大手ラインメタル(2.26%高)が買われた半面、化学大手(2.87%安)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(1.39%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6932.63(+46.98)
フランスCAC40種指数は0.68%高だった。欧州株では小売株に加えヘルスケア株も株価押し上げに寄与した。
