5日のNYダウ工業株30種平均は前日比220ドル74セント高の2万5295ドル87セントと4日続伸した。3日連続で過去最高値を更新した。
12月雇用統計で非農業部門の雇用者数は予想を下振れたものの、平均時給が前月比で増加するなど労働情勢の活況が続く一方、米利上げは緩やかなペースにとどまるとの見方が強まり、株買いが優勢となった。
アジア・欧州株が概ね全面高となったほか、11月製造業受注が予想を上振れたことも好感され、終日堅調推移となった。
雇用統計では非農業部門の雇用者数は前月比14万8000人増と市場予想(19万人)を下回ったが、11月分は上方修正され、ならしてみれば堅調だった。平均時給は前年同月比2.5%上昇と市場予想並みにとどまった。米景気拡大が続くなかでも、FRBの利上げは加速しないとの見方が強まり、株式の買い安心感が広がった。
アップルやアルファベット(グーグル)など大型のハイテク株が総じて堅調だった。ダウ平均の構成銘柄に証券会社の目標株価引き上げが相次いだ。航空機のボーイングが4%高となり、1銘柄でダウ平均を83ドルあまり押し上げた。クレジットカードのビザ、医療保険のユナイテッドヘルス、ホームセンターのホーム・デポも上昇した。
ナスダック総合株価指数は同58.643ポイント高の7136.558で4日続けて最高値を更新。S&P500種株価指数も上昇し、主要3指数が過去最高値を付けた。
セクター別では、小売やソフトウェア・サービスが上昇する一方でエネルギーや公益事業が下落した。
個別では、ソフトバンクグループ傘下の米携帯電話スプリントが高い。通信業界での経験が長いミシェル・コンブ氏を社長兼最高財務責任者(CFO)に迎えると発表したのが買いを誘った。前日に発表した2018年度の業績見通しが好感されたドラッグストアのCVSヘルスへの買いが続いた。
一方、前日に100店舗の閉鎖を発表した小売りのシアーズ・ホールディングスが安い。アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(STZ)は決算内容が嫌気され下落した。
VIX指数は9.26と変わらず(前営業日9.22)。NYダウが25299.79ドルまで続伸して史上最高値を更新したことで、VIX指数は一時9.00まで低下した。
米12月の平均時給が前月比+0.3%、前年比+2.5%の伸びを示したことや、メスター米クリーブランド連銀総裁のタカ派発言などで9.54まで反発した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,295.87+220.74
S&P500種2,743.15+19.16
ナスダック
7,136.558+58.643
米10年債利回り(%)
2.4781 +0.025
米2年債利回り(%)
1.9639 +0.008
NY金(ドル/トロイオンス)
1,322.30+0.70
NY原油(ドル/バレル)
61.59-0.42
円・ドル
113.12 – 113.13 +0.55
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は年初来4日続伸した。3月物は前日比150円高の2万3785円で引け、前夜の大取終値を65円上回った。
NY株高や円安を好感する買いが入った。雇用統計などを手がかりにNYダウ平均など主要指数が最高値を連日更新した。昨年12月の米雇用統計は非農業部門の雇用者増加数が市場予想を下回ったものの、賃金上昇などから総体的に堅調と受け止められた。この日の3月物高値は2万3820円、安値は2万3510円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23785 ( +65 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23810 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日続伸。前日終値に比べ28.34ポイント高の7724.22となり、前日付けた最高値を連日更新して引けた。構成銘柄の7割近くが上昇した。
景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄に買いが集まった。
ディフェンシブ銘柄の公益事業株、たばこ株、医薬品株がいずれも全面高となり、指数上昇に寄与した。
個別では、小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)、不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランド、ファッションのバーバリー・グループ、通信のBTグループなど前日下落した銘柄は割安感から買い戻され、軒並み上昇した。
半面、午前は買いが先行していた鉱業株と石油株は利益確定の売りでほぼ全面安に転じた。原油や金属相場が下げていることも弱材料になった。
自動車保険のアドミラル・グループの下げが目立った。新車販売数の落ち込みによる収益圧迫が懸念され売りが膨らんだ。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸。終値は前日比151.75ポイント高の13319.64と、最高値(13478.86)に迫った。構成銘柄の8割が上昇した。
個別では、医薬・農薬大手のバイエルと医薬・化学大手のメルクが大幅上昇した。自動車株も買われた。一方で銀行株をはじめ、航空のルフトハンザなど4銘柄が下落した。ハイデルベルクセメントは変わらず。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40
5,470.75 +57.06
