8日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比58ドル06セント(0.2%)安の3万2798ドル40セントで終えた。
パウエルFRB議長は前日、インフレ高止まりに警戒感を示した上で「利上げペースを加速する用意がある」と強調。市場ではFRBによる金融引き締めが一段と長期化することへの懸念が強まり、前日とこの日の地合いが圧迫された。
また、この日の朝方発表された雇用動態調査(JOLTS)の求人件数などの雇用関連指標はいずれも市場予想を上回る内容で、FRBによる利上げを後押しする結果となった。
市場関係者がこの日のパウエル議長の議会証言にも神経をとがらせる中、ダウは朝方から弱含みに推移。取引中盤に下げ幅を広げた後、終盤にかけては値を戻した。今週末発表の雇用統計を控えて様子見ムードも強かった。
ダウ平均で比重が大きいヘルスケアやエネルギー株が下げ、指数の重荷となった。
今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ再加速を占う上で、雇用統計のほか、来週公表の消費者物価指数(CPI)が注目されている。
前日に売られた景気敏感株や消費関連株の一角が買われ、建機のキャタピラーとホームセンターのホーム・デポが高い。同じく前日に下げたハイテク株も総じて堅調だった。
半面、ヘルスケアなどディフェンシブ株に売りの矛先が向かい、製薬のメルクや保険のトラベラーズ、通信のベライゾン・コミュニケーションズが安い。原油先物相場の続落で石油のシェブロンも下げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比45.672ポイント(0.4%)高の1万1576.005で終えた。半導体のエヌビディアや半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)の上げが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比415円高の2万8365円で引けた。
NYダウは、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けて米利上げ長期化への懸念が高まる中、2日続落した。
ただ、同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、日経平均先物にも買いが及んだ。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28620 ( +200 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28625 ( +205 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7929.92(+10.44)
8日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3営業日ぶりに反発した。前日に比べ10.44ポイント(0.13%)高の7929.92で取引を終えた。非鉄金属相場の上昇で、資源株が買い直された。半面、欧米の金融引き締め継続による景気懸念が重荷となり上値は限られた。
構成銘柄の約6割が上昇。個別では、保険会社ヒスコックスが5.2%高と急伸したほか、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが2.4%高、産銅大手アントファガスタが2.2%高で続いた。半面、自動車保険のアドミラル・グループは4.1%安、不動産のランド・セキュリティーズとブリティッシュ・ランドはともに2.4%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15631.87(+72.34)
8日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ72.34ポイント(0.46%)高の1万5631.87で終えた。8日に、市場予想を上回る2023年12月期通期の売上高見通しを示した自動車部品大手のコンチネンタルが7%強高となるなど、自動車株の一角が上昇した。独長期金利の低下を好感し、ハイテク株も買われた。
個別では、自動車部品大手コンチネンタルが7.6%高と上昇率トップ。半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.1%高、製薬大手バイエルも2.1%高と買われた。一方、製薬大手サルトリアスは2.0%安、医薬大手メルクは1.2%安、化学品商社ブレンタークは1.0%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7324.76(-14.51)
フランスCAC40種指数は0.20%安だった。
欧州株は安値拾いの買いに支えられ、おおむねプラス圏で終了した。
