ダウ103ドル高、連日で最高値更新するもナスダックは反落

29日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。
前日比103ドル97セント高の2万3940ドル68セントで取引を終え、連日で過去最高値を更新した。
昨日に米上院の予算員会で税制改革案が可決されたことで税制改革実現への期待が強まり、買いが先行した。
金融株が総じて上昇し、JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカは2%強上げた。米長期金利の上昇に加え、パウエル理事が公聴会で金融規制の緩和に前向きな姿勢を見せたことも追い風となった。
 
29日朝に出た2017年7~9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.3%増と、速報値から0.3ポイント上方修正された。米経済指標の改善も買い安心感につながった。
一方で、ハイテク株を中心に売りが広がったほか、明日のOPEC会合を控えて原油価格の下落も重しとなり、小動きとなった。
 
年初来の上昇率が高かったハイテク株は利益確定売りに押された。フェイスブックは4%安、アマゾン・ドット・コムは3%弱下げて終えた。グーグルの持ち株会社アルファベット、アップルも2%を超える下げとなった。
ナスダック総合株価指数は反落し、87.969ポイント安の6824.389で終えた。
 
セクター別では、運輸や電気通信サービスが上昇する一方で半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが下落した。
 
29日朝に最高経営責任者(CEO)の退任を発表した外食のチポトレ・メキシカン・グリルには経営再建への期待から買いが優勢だった。投資判断引き上げが伝わった宅配ピザのドミノ・ピザも買われた。
 
一方、前日夕に四半期決算と同時に大規模な人員削減計画を発表した設計ソフトのオートデスクが大幅安。投資判断引き下げが伝わった半導体のクアルコムも売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,940.68+103.97
S&P500種
2,626.07-0.97
ナスダック
6,824.389-87.969
 
米10年債利回り(%)
2.39 +0.053
米2年債利回り(%)
1.7659 +0.008
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,286.20-13.00
NY原油(ドル/バレル)   
57.39-0.60
円・ドル
111.90 – 111.91+0.45      


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比25円高の2万2655円で取引を終え、大阪取引所の終値を35円上回った。米景気の改善を示す経済指標の発表や米税制改革の実現期待からNYダウ平均が過去最高値を更新し、日本株にも買いが及んだ。為替相場が円安に振れたことも追い風だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22655 ( +35 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22655 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7393.56(-67.09)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日28日の終値に比べ67.09ポイント安の7393.56で引けた。たばこ株と石油株の下げが指数を押し下げ、構成銘柄の約6割が下落した。午後遅くに下げ幅が拡大した。
28日夜に、英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡り、同国とEUの間で清算金について合意したとの報道を受けて、ポンドが急伸。ポンド高を嫌った売りが優勢だった。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコなどたばこ株と、ロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株が売られた。医薬品のグラクソ・スミスクラインとアストラゼネカも軟調だった。
 
半面、金融株は買われた。銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)と、保険のリーガル・アンド・ゼネラル(L&G)の上げが目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13061.87(+2.34)
ドイツ株式指数(DAX)は小幅続伸した。終値は前日28日と比べて2.34ポイント高の13061.87だった。午後遅くに上げ幅が急速に縮小した。
 
個別では、自動車のフォルクスワーゲン(VW)の上げが目立った。最高経営責任者(CEO)が29日、力強い自動車販売が11月と12月も続くとの見通しを示したことなどが好感された。医薬・化学大手の独メルクとドイツ銀行も上昇した。
 
一方で、半導体のインフィニオンテクノロジーズと不動産のボノビア、IT(情報技術)のSAPは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5398.05(+7.57)
 

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