米株式市場でNYダウ工業株30種平均は10営業日ぶりに反落し、前日比475ドル(1.3%)安の3万7082ドルで終えた。前日までの9営業日で1500ドルあまり上昇しており、主力株を中心に利益確定や持ち高調整の売りが出た。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も10営業日ぶりに反落した。
ダウは前日までに5営業日連続で史上最高値を更新。この日も昼過ぎにかけてじわじわと上昇したが、終盤にはクリスマス休暇が近づく中で手じまい売りが加速し、ダウの30銘柄全てがマイナス圏に沈んだ。弱い内容の業績見通しを発表する企業が相次いだことも、景気減速への懸念を高め、売りを促した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が先週、来年の利下げに前向きな姿勢を示して以降、米株式市場は半導体銘柄や太陽光発電関連の小型株などを中心に大幅上昇してきたが、この日はこうした株が売られた。ナスダックも大半の銘柄が下落したが、グーグルの親会社アルファベットは組織再編計画に関する報道が好感され、上昇した。
ダウ平均を構成する30銘柄すべてが下げた。映画・娯楽のウォルト・ディズニー、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスの下げが目立った。
ナスダック総合株価指数も10営業日ぶりに反落した。前日比225.280ポイント(1.50%)安の1万4777.943で終えた。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアが下げた。半面、グーグルの人員削減計画が報じられたネット検索のアルファベットは上昇した。
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は上昇した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日比0.09%低い(価格は高い)3.84%と、7月下旬以来ほぼ5カ月ぶりの低水準で終えた。米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景とした債券買いが続いた。米株式相場が午後に下げ幅を広げたことも、相対的に安全な資産とされる米国債の買いにつながった。
【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=143円台半ばで推移している。米国の住宅関連指標が好調だったことを受けてドルを買い戻す動きが出たが、勢いは限定的だった。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
【欧州株式市場】
エネルギーや資本財をはじめ幅広い業種の銘柄に買いが入り、同指数の100ある構成銘柄のうち90以上が前日比で上昇した。
エネルギー大手シェルや製薬大手アストラゼネカなどの上昇が、指数を押し上げた。英国債の利回り低下を背景にセグロなど不動産関連株が買われたほか、一部金融機関が目標株価を引き上げた航空・防衛大手の英BAEシステムズ株も上昇した。
20日発表の11月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が3.9%と市場予想を下回り、21年9月以来の低水準となった。インフレの落ち着きを示す指標を受け、英中銀の利下げ観測が強まった。
FTSEの構成銘柄では、品質検査会社インターテックが3.66%高、物流施設大手セグロが3.23%高、エンジニアリング企業のIMIが2.91%高。一方、金融大手ナットウエストは0.46%安、不動産サイト大手ライトムーブは0.21%安、産金大手エンデバー・マイニングは0.17%安となった。
