3日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、前週末比10ドル87セント(0.03%)高の3万4418ドル47セントで終えた。昨年12月上旬以来、約7カ月ぶり高値だった。
増配を発表した金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどが上昇し、ダウ平均を支えた。一方、ハイテク株の一角などに利益確定売りが出て、ダウ平均は下げる場面もあった。
3日は独立記念日の祝日の前日で13時までの短縮取引だった。積極的な売買を控える市場参加者が多く、方向感は乏しかった。
米連邦準備理事会(FRB)が6月28日夕に公表した大手23行のストレステスト(健全性審査)の結果を受け、ゴールドマンやJPモルガンなどが6月30日の通常取引終了後に四半期配当の増額を発表した。ストレステストは23行すべてが厳しい不況下でも必要な自己資本を維持できるとの試算を示していた。ゴールドマンとJPモルガンは2銘柄でダウ平均を30ドルあまり押し上げた。
米サプライ管理協会(ISM)が3日午前公表した6月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は46.0(前月は46.9)に低下し、市場予想(47.0=ロイター通信調べ)を下回った。これを受け、FRBが示唆し続けている年内2回の追加利上げは見送りになるとの意識が広がり、相場を下支えした。
「価格」や「雇用」が低下したことで、インフレ圧力や労働需給の緩和を示したとの受け止めもあった。
ダウ平均ではドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや映画・娯楽のウォルト・ディズニーも上げた。
一方、ゴーグル型端末の生産計画引き下げが伝わったスマートフォンのアップルが安い。ソフトウエアのマイクロソフトも下げた。ダウ平均は寄り付き直後に120ドルあまり下げる場面があった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比28.850ポイント(0.2%)高の1万3816.773で終えた。連日で昨年4月以来の高値を更新した。2023年4〜6月期の販売台数が市場予想を上回った電気自動車のテスラが7%高だった。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比180円高の3万3615円で終えた。
市場予想を下回った米経済統計を受けて連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化観測が和らぐ中、横ばいで取引を終えた。
同日の米株式相場が上昇した。東京株式市場では日経平均株価が33年ぶりの高値を更新したこともあり、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から日経平均先物は買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7527.26(-4.27)
3日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前週末に比べ4.27ポイント(0.06%)安の7527.26で取引を終えた。
英製薬大手アストラゼネカが前週末比8%安となるなど医薬品セクターの下落が指数を押し下げた。アストラゼネカは3日、第一三共と共同で開発中の抗がん剤の試験結果について、一部の主要評価項目の中間解析で、統計学的に有意な改善を示さなかったと発表した。期待したほど有効性が明らかでない可能性があるとの失望感から売りが膨らんだ。
半面、商品相場の上昇でエネルギーや素材など商品関連銘柄が上げ、指数の下げは限定的だった。
FTSE100の構成銘柄では、アストラゼネカが8%安と大幅下落。医療機器大手スミス・アンド・ネヒューは5.76%安、医療安全装置メーカーのハルマが2.20%安と続いた。一方、オンライン食品販売のオカド・グループが5.96%高となったほか、鉱業大手アングロ・アメリカンは4.32%高、資源大手グレンコアが3.25%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16081.04(-66.86)
3日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前週末に比べ66.86ポイント(0.41%)安の1万6081.04で取引を終えた。3日発表のドイツの6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が40.6と、速報値から下方修正され、市場予想も下回った。ドイツ経済の悪化懸念が投資家心理を冷やした。ドイツ長期金利の上昇も重荷となり、消費財やヘルスケア、ハイテクセクターに売りが出た。
個別では、自動車部品大手コンチネンタルが3.85%安。高級車メーカーのポルシェは3.30%安、総合電機大手シーメンスは2.46%安とそれぞれ下落した。反面、不動産サービスのボノビアが2.46%高、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアが2.17%高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7386.70(-13.36)
フランスCAC40種指数は0.18%安だった。
