２日のNYダウ工業株30種平均は４日続伸した。終値は前週末比152ドル51セント高の２万2557ドル60セントと、９月20日以来ほぼ１週間半ぶりに過去最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数もそろって最高値を更新した。
先週トランプ政権が公表した税制改革案の実現期待から投資家心理が改善し、買いが先行した。予想を上振れた9月ISM製造業景況指数や米長期金利の上昇も好感され、堅調推移となった。昨夕にラスベガスで発生した銃乱射事件による相場への影響は限られた。
サプライマネジメント協会（ISM）が発表した９月の製造業景況感指数は60.8と、市場予想に反して前月比2.0ポイント改善した。13年４カ月ぶりの高水準。ハリケーン被害で「入荷遅延」「価格」の指数が押し上げられた影響が大きいが「新規受注」「生産」「雇用」などの主要項目の指数も改善し、製造業の業績改善期待につながった。
米ネバダ州ラスベガスで１日夜、銃乱射事件が起きた。傘下のホテルが事件現場になったカジノ大手のMGMリゾーツ・インターナショナル株が売られたが、米連邦捜査局（FBI）が国際テロ組織との関係には否定的な見方を示したこともあり、相場全体への影響は限られた。
ナスダック総合株価指数は５日続伸し、前週末比20.759ポイント高の6516.717と連日で過去最高値を付けた。フェイスブックやアルファベット（グーグル）など主力株の一角が下げたが、インテルなどの半導体株やギリアド・サイエンシズなどバイオ株が買われ、指数を押し上げた。
セクター別では、自動車・自動車部品や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で食品・飲料・タバコや不動産が下落した。
個別では、１日にNY州郊外を中心にCATVサービスを展開するアルティスＵＳＡに、自社のＴＶチャンネルの提供を続けることで合意したと発表した映画・娯楽のウォルト・ディズニーが高い。アルティスも小幅高で終えた。スミス＆ウェッソン(SWHC)やスターム・ルガー(RGR)などの銃火器メーカーは、需要増を見込んだ買いが広がった。
一方、株式の非上場化に向けたMBOの交渉が難航していると伝わった百貨店のノードストロームが大幅安。同業のメーシーズやコールズにも売りが広がった。
ＮＹダウ工業株30種（ドル）
22,557.60＋152.51
S&P500種2,529.12＋9.76
ナスダック6,516.718＋20.759
米10年債利回り（％）
2.3408 +0.015
米2年債利回り（％）
1.4868 +0.008
ＮＹ原油（ドル/バレル）50.54－0.04
円・ドル112.72 – 112.73－0.26
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前週末比120円高の２万0470円で引け、同日の大取終値を60円上回った。小幅ながら円安が進んだうえ、米主要株価指数が軒並み過去最高値を更新したことが追い風になった。
９月の米サプライマネジメント協会（ISM）製造業景況感指数は市場予想を上回る高水準を示し、景気拡大の期待が強まった。この日の12月物高値は２万0480円、安値は２万0355円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
20470 ( +60 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
20500 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7438.84（＋66.08）
FTSE100種総合株価指数は４日続伸した。前週末終値に比べ66.08ポイント高の7438.84で引けた。医薬品株の上げが指数上昇に貢献し、構成銘柄の約８割が上昇した。
英格安航空会社のモナーク・エアラインズが破産申請したことをきっかけに、航空株が上がった。イージージェットは５％超上昇した。インターナショナル・エアラインズ・グループも高くなった。アストラゼネカなど医薬品株も買われ、なかでもシャイアーの上げが目立った。
住宅購入を促進する政策が好感され、住宅建設株も高くなった。バラット・ディベロップメンツとパーシモンはともに４％超上昇した。
半面、医療のメディクリニック・インターナショナルは売られた。たばこのインペリアル・ブランズは、アナリストによる株価目標引き下げが嫌気され、売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12902.65（＋73.79）
ドイツ株式指数（DAX）は６日続伸した。終値は前週末比73.79ポイント高の12902.65と、過去最高値を更新した。
英格安航空会社モナーク・エアラインズの破産申請を受けて、航空のルフトハンザが買われた。アディダスと半導体のインフィニオンテクノロジーズも高くなった。一方で、鉄鋼のティッセン・クルップとハイデルベルクセメントは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5350.44（＋20.63）
欧州の主要株式市場では、イタリアの株価指数FTSE・MIBの終値が前週末に比べて0.51％上昇し22811.19と、2015年８月中旬以来の高値で引けた。
