ダウ3日続伸し35ドル高 貿易摩擦への警戒が後退

 
2日のNYダウ工業株30種平均は前週末比35ドル77セント高の2万4307ドル18セントと3日続伸で終えた。
この日のNYダウは、海外株安の流れを引き継ぎ売り優勢で開始した。カナダ政府が1日、米国の鉄鋼・アルミニウム輸入制限に対する報復関税を発動させたほか、欧州連合(EU)も、米国が検討中の輸入車関税について、実施されれば2940億ドルの影響が米国側に生じると警告するなど、貿易問題をめぐって米国と他の国・地域の間で緊張が高まっている。
 
また、6日には知的財産権侵害を理由にした米国の対中貿易制裁が発動され、中国も同規模の報復関税で応じる見通し。問題解決に向けた協議に好転の兆しが見られない中、この日も先行き不透明感が投資家心理の重しとなった。
 
トランプ大統領が記者団に対し、現時点で世界貿易機関(WTO)の脱退などは考えていないとの趣旨の発言をしたと報じられた。1日には米政権がWTOルールに従わない通商政策を採用できるよう、議会への法案提出を検討していると伝わっていた。中間選挙に向けて急激に保護主義に傾斜するとの見方がやや後退し、相場は午後に買い優勢に転じた。
 
6月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想以上に上昇し、米景気の楽観につながったことも相場を支えた。
長期金利の上昇を眺めて金融株に買いが入ったほか、ハイテク株も買われ、ダウは徐々に下げ幅を縮小。終盤にはプラス圏に浮上した。
 
 
ナスダック総合株価指数も3日続伸し、同57.383ポイント高の7567.687で終えた。
 
セクター別では、ソフトウェア・サービスや半導体・半導体製造装置が上昇する一方でエネルギーや食品・生活必需品小売が下落した。
 
個別では、電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、「モデル3」の週5000台の生産目標を達成したことを明らかにし、大きく上昇して寄り付いたものの、資金繰りや生産ペースを維持できるか懐疑的な見方も多く下落した。原油相場の下落で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移した。
 
一方で、米長期金利の上昇でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が軒並み上昇。半導体のマイクロン・テクノロジー(MU) 3%超値上がりした。エヌビディア(NVDA)にも買いが広がった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,307.18+35.77             
S&P500種
2,726.71+8.34
ナスダック
7,567.687+57.383
 
米10年債利回り(%)
2.8711 +0.02
米2年債利回り(%)
2.5526 +0.025
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,241.70-12.80
NY原油(ドル/バレル)
73.99+0.05
円・ドル
110.87 – 110.88+0.14
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は大幅続落した。9月物は前週末比385円安の2万1840円で引け、同日の大取終値を100円上回った。
夜間取引で売られたが、好調な米景気指標や世界的な貿易摩擦への警戒感の薄れを背景に下げ幅を縮めた。
この日の9月物安値は2万1675円、高値は2万2290円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21840 ( +100 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21885 ( +145 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7547.85(-89.08)
FTSE100種総合株価指数は反落。前週末の6月29日の終値に比べ89.08ポイント安の7547.85で引けた。株価は朝安で始まり、その後も安値圏でもみ合いだった。アジアや独仏の株安を眺め、貿易戦争への根強い懸念やドイツ政治の先行き不透明感が相場を下押しした。構成銘柄の約9割が下落した。
 
個別銘柄では、資源株が軒並み大幅安。スイス資源大手グレンコアが3.5%安、チリ産銅大手アントファガスタ3.3%安、リオ・ティントと資源商社のグレンコアの下げも目立った。時価総額の大きい医薬品株も下落した。医療機器のスミス・アンド・ネフューと総合ヘルスケアのNMCヘルスは、3~4%強安と大幅下落した。保険株など銀行株以外の金融株にも売りが広がった。
 
半面、ソフトウエア会社のマイクロフォーカスが1%強、上昇した。上昇幅は一時5%を上回った。ソフトウエア部門のSUSEを投資ファンドに売却すると伝わったことが買い手掛かりになった。ネット専業スーパーのオカドなど小売り関連株や、景気動向に左右されにくいとされる公益事業株も堅調だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12238.17(-67.83)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末6月29日と比べて67.83ポイント安の12238.17だった。
米国発の貿易摩擦をめぐる世界的影響が懸念されるなか、2日のアジア株式相場が下落した流れが波及し、欧州の主要株価指数は軒並み下落した。
 
個別では、アナリストが投資判断と目標株価を引き下げた半導体のインフィニオンテクノロジーズが安かった。医療機器のフレゼニウスとアディダスの下げも目立った。
一方で、電力株が上昇した。売りが続いていた自動車のダイムラーが買い戻され、1%近く上げた。BMWも小高く引けた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5276.76(-46.77)
フランスのCAC40は1%近く、下落した。

 

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