ダウ3日続伸し23ドル高、ハイテク株に買いが広がる

 
29日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。終値は前日比23ドル89セント高の2万2405ドル09セントだった。
税制改革案の恩恵を受けるハイテク株が選好される一方で、同法案の成立に懐疑的な見方や赤字拡大を懸念する向きから積極的な買いが入りにくく、上値の重い展開となった。
 
朝方発表の8月の米個人消費支出(PCE)統計で、FRBが利上げ判断で重視するエネルギー・食品を除くコアのPCEデフレーターは前年同月比1.3%上昇と1年9カ月ぶりの水準に伸び悩んだ。ハリケーンが統計に影響したとして、12月の米利上げを見込む声が依然として多く相場の反応は限られた。
 
ダウ平均は20日に付けた最高値に7ドルあまりに迫った。月間では457ドル超(2.1%)上昇と、6カ月続伸した。
 
ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株の上昇が目立った。取引終了にかけて米長期金利の指標である10年物の米国債利回りが上昇したのを受けて、利ざや拡大期待が広がった。
 
7~9月期末の最終取引日とあって、ファンドが運用成績をよく見せるために買い注文を入れる「お化粧買い」が入りやすかった面もあった。
ただ、上昇の勢いは限られた。トランプ米政権が示した税制改革案への期待で前日まで上昇した反動で、高値圏では目先の利益を確定する売りが出やすかった。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比42.508ポイント高の6495.959と19日に付けた過去最高値を更新した。フェイスブックやアルファベット(グーグル)など時価総額の大きい主力株が上昇し、指数を押し上げた。
 
S&P500種株価指数は4日続伸し、過去最高値を連日で更新した。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置やメディアが上昇する一方で食品・生活必需品小売や消費者・サービスが下落した。
 
個別では、昨日に新規株式公開(IPO)したビデオストリーミング用機器・ソフト開発のロク(ROKU)は業績期待から大幅続伸。米証券会社が投資判断を最上位で始めたクレジットカードのビザとマスターカードが上昇。スポーツ用品販売のフィニッシュ・ラインは英国の同業による買収観測が伝わり上昇した。
食肉メーカーのタイソンフーズ(TSN)は通期の利益見通しを上方修正し、堅調推移した。
 
一方、製薬のメルク(MRK)は新たなC型肝炎治療薬の開発中止を発表し、売られた。スポーツ用品のナイキに売りが続いた。前日に大幅上昇した外食のマクドナルドや小売りのウォルマート・ストアーズも下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
22,405.09+23.89             
S&P500種2,519.36+9.30
ナスダック6,495.959+42.508
 
米10年債利回り(%)2.339 +0.032
米2年債利回り(%)1.4907 +0.036
NY原油(ドル/バレル)51.64+0.08
円・ドル112.48 – 112.49-0.34


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅高。12月物は前日比20円高の2万0350円で引け、大阪取引所の終値を10円下回った。円相場の弱含みやNY株式の上昇が相場を支えた。
値動きは狭く、7~9月期末の週末とあって持ち高調整の動きが強まった。8月の米個人消費支出(PCE)の物価指数は伸び悩んだが、相場の反応は限られた。12月物高値は2万0370円、安値は2万0275円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
20350 ( +10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
20385 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FT100 7,372.76  +49.94
FTSE100種総合株価指数は3日続伸。前日終値に比べ49.94ポイント高の7372.76で引けた。資源株を中心に幅広い銘柄が買われ、構成銘柄の約8割が上昇した。
アナリストが株式評価を引き上げた銘柄が高くなり、指数をけん引した。
ただ引けにかけて週末を控えた利益確定の売りも出て、指数の上げ幅をやや縮小した。
 
メディアのITV、鉱業のアントファガスタ、住宅建設のパーシモンが大幅上昇した。いずれもアナリストらが目標株価や投資判断を引き上げたことが買い手掛かりになった。同様に住宅建設のテイラー・ウィンピーも上げた。
医療のメディクリニック・インターナショナルや医薬品株も上昇した。午前は利益確定の売りで下げていたロイズ・バンキング・グループとバークレイズも買い戻され、結局銀行株は全面高となった。
 
半面、エンジニアリング・サービスのバブコック・インターナショナル・グループや建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループ、建設資材のファーガソンなどが利益確定の売りで下落して引けた。ファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウンは続落し、安かった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12,828.86 124.21
ドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日比124.21ポイントの12828.86だった。構成銘柄の約8割が上昇した。
電力のエーオンと医薬・農薬大手のバイエルが高かった。銀行株も堅調だった。
一方で医薬・化学大手の独メルクが大幅安で引けた。最高財務責任者(CFO)が通期業績見通しについて、挑戦的だが達成できるだろうとの見方を示した。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5,329.81 +36.04

欧州の主要株式市場も総じて上昇した。イタリアのFTSE・MIBは22696.32と、2015年11月下旬以来の高値で引けた。

 

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