12日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落した。前日比31ドル88セント安の2万2841ドル01セントで終えた。
主要金融決算は良好な内容となったものの、高値警戒感から利益確定の動きが広がり、売りが先行した。その後は下げ幅をやや縮小したが、原油相場の下落が嫌気され、上値の重い展開となった。9月生産者物価指数が予想に一致したほか、週間新規失業保険申請件数が予想より減少したものの、相場への影響は限られた。
12日は金融のJPモルガン・チェースやシティグループが2017年7~9月期決算を発表した。いずれも市場予想を上回る増収増益だったが、6日にそろって52週(過去1年)高値を付けるなど高値圏にあったため、材料出尽くし感から売りが出た。米長期金利の低下で利ざや改善への期待がやや後退したこともあって、ゴールドマン・サックスも売られ指数を下押しした。
アナリストが投資判断と目標株価を引き下げた映画・娯楽のウォルト・ディズニーが売られ、ダウ平均の構成銘柄で下落率が最大となった。1銘柄でダウ平均を11ドルあまり押し下げた。
ただ、ダウ平均は上げる場面があった。米主要企業の決算発表シーズンは始まったばかりで、業績改善への期待は根強く持ち高を売りに傾ける動きは限られた。
ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落した。前日比12.038ポイント安の6591.510で終えた。主力のアップルが下げたほか、半導体大手のマイクロン・テクノロジーなどが売られた。
セクター別では、不動産や運輸が上昇する一方で電気通信サービスやメディアが下落した。
個別では、前日夕に2017年12月期通期の業績見通しを据え置くと発表した通信のAT&Tが安かった。市場予想を上回る四半期決算を発表したものの、材料出尽くし感から宅配ピザ・サービスのドミノ・ピザも売られた。
一方、ネット小売のアマゾン(AMZN)はホリデーシーズンに向けた12万人の雇用計画を発表し、買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
22,841.01 -31.88
S&P500種
2,550.93 -4.31
ナスダック
6,591.510 -12.038
米10年債利回り(%)
2.3213 -0.024
米2年債利回り(%)
1.5167 -0.004
NY原油(ドル/バレル) 50.77 +0.17
円・ドル 112.25 – 112.26 +0.03
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。12月物は前日比35円高の2万0980円で終え、大阪取引所の終値を30円上回った。米株式相場の上昇局面で買われた。
取引終了にかけて米株式相場は下げたものの、日経平均先物の下値は固かった。円相場は小幅反発し、上値を抑えた。この日の12月物の高値は2万1035円、安値は2万0920円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
20980 ( +30 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21015 ( +65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日終値に比べ22.43ポイント高の7556.24と、6月2日に付けた最高値を更新した。構成銘柄の8割近くが上昇した。
ポンドは欧州連合(EU)離脱交渉が難航していることを受けて、先行き不透明感の懸念から下落した。
保険が上昇する中、セント・ジェームズ・プレイスが4%高となり、指数をけん引した。ファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウンなど資産運用株にも買いが波及した。
半面、銀行株が軒並み下落した。なかでも配当の権利落ちとなったHSBCホールディングスが安かった。同様にスーパーマーケットのテスコも売られた。テーマパーク運営のマーリン・エンターテイメンツは、買収観測を巡り、米シーワールド側が交渉はしていないと否定したことなどで売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸し、9日に付けた最高値を更新した。終値は前日比12.21ポイント高の12982.89だった。
航空のルフトハンザが大幅上昇した。エアベルリンの一部事業を買い取ることで合意したと伝わった。前日に続き電力のRWEとエーオンが高かった。一方でドイツテレコムとドイツ銀行が下落した。
