投資家が注目するエヌビディアの決算発表を前に、主要株価指数はいずれも狭いレンジで展開。ダウ平均は原油安などを背景に一時130ドル安を付ける場面があったが、引けにかけて買いが優勢となり、プラス圏で取引を終えた。前日売られた半導体株はこの日、買い戻しが入り上昇した。
午前発表の8月の米消費者信頼感指数は103.3と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(101.0)に反し、7月(101.9)から改善した。米景気が底堅いとの受け止めにつながった。半面、ダウ平均は直近安値の5日から前日までに2500ドルあまり上昇した。高値警戒感や短期的な過熱感を意識した売りが出て、ダウ平均は130ドルほど下げる場面があった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが28日夕に2024年5〜7月期決算を発表する。決算後のエヌビディア株の動きが米株式相場全体に影響する可能性があり、決算の内容を見極めたいとの雰囲気もあった。エヌビディアは下げて始まったものの、上昇に転じて終えた。「エヌビディアが好業績であっても、株価は上昇が続いた後で、市場参加者がどのような反応を示すのかを予想しにくい」との指摘があった。
ダウ平均の構成銘柄では、ナイキやハネウェル・インターナショナル、ビザが上昇した。一方、アマゾン・ドット・コムとウォルト・ディズニーが下落。原油先物相場の下落を受け、シェブロンも安かった。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比29.055ポイント(0.16%)高の1万7754.820で終えた。アナリストが目標株価を引き上げたネットフリックスが上昇した。クアルコムなどの半導体株にも買いが入った。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
27日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比64.79ポイント(0.34%)高の1万8681.81で終えた。欧米の利下げ観測は引き続き、投資家心理を支えた。独コメルツ銀行など金融株や、スポーツ用品大手のアディダスなど消費関連に買いが優勢だった。
個別では、一部金融機関が投資判断を引き上げたと伝わった自動車部品大手コンチネンタルが3.26%高、医療機器のザルトリウスが2.32%高、化学品商社ブレンタークが2.06%高と上昇。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.37%安、不動産大手ボノビアは1.29%安、商用車大手ダイムラー・トラックは1.21%安と軟調だった。
フランスの株価指数CAC40は3営業日ぶりに反落し、前日比0.32%安で終えた。このところ相場水準が切り上がっていたため、高級ブランドのエルメス・インターナショナルといった消費関連の一角などに利益確定の売りが出た。
