ダウ連日の最高値、ハイテク株主導

29日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前週末比224ドル02セント(0.58%)高の3万8333ドル45セントで終え、最高値を更新した。
 
この日のダウは米主要経済統計などの手掛かりに乏しく、朝方から方向感に欠ける展開。今週予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)、雇用統計公表を控え、様子見ムードが広がり、前週末終値を挟んで取引中盤まで小動きに推移した。

だが、終盤に米長期金利が低下したのを眺めてハイテク株を中心に買いが膨らみ、ダウは引けにかけて上げ幅を拡大。この日の高値圏で取引を終えた。ナスダックは前営業日の26日は下落したものの、25日まで6営業日続伸しており、今年に入って堅調な値動きが続いている。
 
市場の関心は会合後のパウエル議長の記者会見に集まる。インフレ抑制の姿勢を改めて強調し、金融市場が前のめり気味に織り込んだ利下げ期待に水を差すとの見方があり、投資家心理の重荷となった。
 
米長期金利は4.0%台後半と、前週末の終値(4.13%)を下回って推移した。米財務省が29日、24年1〜3月期の借入額が昨年10月時点の推計よりも少なくなるとの予想を示すと、金利が一段と低下(債券価格は上昇)した。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが入りやすく、ダウ平均は取引終了にかけて上げ幅を広げる展開だった。ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトが上昇し、相場を支えた。
 
ダウ平均の上値は重く、小幅な下落に転じる場面があった。今週はマイクロソフトやスマートフォンのアップル、ネット検索のアルファベットなど大型ハイテク株の決算発表が相次ぐ。米市場で時価総額上位の銘柄で、発表後に株価が大きく動けば投資家心理に与える影響は大きい。内容を見極めたいとする投資家が多かった。
 
クレジットカードのビザや映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇した。半面、通信のベライゾン・コミュニケーションズやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは下げた。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比172.681ポイント(1.11%)高の1万5628.045と22年1月以来の高値で終えた。半導体のエヌビディアや交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。
 
S&P500種株価指数は前週末比36.96ポイント
 
 
NYダウ 38333.45 ( +224.02 )
S&P500 4927.93 ( +36.96 )
NASDAQ 15628.05 ( +172.69 )
米10年債利回り 4.080 ( -0.064 )
 
NY(WTI)原油 76.78 ( -1.23 )
NY金 2025.4 ( +8.1 )
VIX指数 13.60 ( +0.34 )
 
 
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は反発した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前週末比0.06%低い(価格は高い)4.07%で終えた。米財務省が1〜3月期の借入額見通しを7600億ドルと、前回2023年10月下旬に公表した8160億ドルから下方修正し、債券需給の悪化懸念が和らいだ。

【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=147円台半ばで推移している。30日から開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが広がる中、米長期金利が低下し、日米の金利差縮小を意識したドル売り円買いが優勢となった。


【シカゴ日本株先物概況】
 

29日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比210円高の3万6125円で終えた。この日は米ダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新し、投資家心理が改善。東京株式市場で日経平均株価も上昇しており、シカゴ市場の先物には買いが入りやすかった。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
36125 ( +85 )

 
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
36160 ( +120 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7632.74(-2.35)
 
29日のFTSE100種総合株価指数は小幅に4営業日ぶりに反落した。前週末に比べ2.35ポイント(0.03%)安の7632.74で終えた。原油先物相場の底堅い推移を支えに英シェルなどエネルギー株への買いが先行したものの、午後に原油先物相場が下げ幅を広げるとエネルギー株への買いが弱まり、指数も下げに転じた。

今週半ば以降に米国や英国で金融政策が公表されるのを前に、積極的な買いが手控えられた面もある。保険や銀行など金融株が下げた一方で、素材や日用品関連の銘柄には買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、通信大手エアテル・アフリカ(3.91%安)や資産運用大手シュローダー(3.72%安)、保険会社セント・ジェームズ・プレイス(3.55%安)が売られた一方、産金大手フレスニロ(9.98%高)や工業・電子製品大手RSグループ(2.76%高)が買われた。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16941.71(-19.68)
 
29日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前週末比19.68ポイント(0.11%)安の1万6941.71で終えた。
 
個別では、除草剤に関する訴訟で損害賠償の支払いを命じられた製薬大手バイエルが4.86%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.40%安、製薬大手サルトリアスが1.75%安だった。他方、自動車部品大手コンチネンタルが3.47%高、通販大手ザランドが3.45%高だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7640.81(+6.67)
 
フランスCAC40種指数は0.09%高だった。エネルギー株が上昇したものの、通信株や金融株が上値を抑え、小幅の上昇だった。

 

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