ダウ続落99ドル安、米金利上昇を嫌気

 
24日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比99ドル06セント(0.26%)安の3万7806ドル39セントで終えた。米経済の底堅さを示す経済指標が発表され、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退。米長期金利が上昇し、米株に売りが出た。もっとも、好決算への期待からテック株に買いが入り、相場の下げは限られた。
朝方は買い先行で始まり、ダウ平均は上げ幅を160ドル近くに広げる場面があった。
 
24日に発表された1月の米国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3と好不況の分かれ目である50を超え、市場予想(47.2)も上回った。堅調な景気を背景にインフレの抑制が遅れるとの見方が広がり、FRBの利下げが遠のくと懸念された。米債券市場では長期金利が4.1%台後半に上昇。金利と比べた株式の相対的な割高感も意識された。
 
ハイテク株への買いが膨らんだため、ダウは序盤に最高値圏を維持した。ところが、予想以上に強い米経済指標の発表に加え、5年物米国債の入札が低調だったことを受けた需給の緩みに対する懸念から長期金利が上昇し、マイナス圏に沈んだ。

一方、生成AI(人工知能)事業に対する成長期待の高まりを背景に、マイクロソフト(MS)の時価総額は一時3兆ドルを超えた。MSへの買いが入ったことから、ダウ平均の下値は限定的だった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、動画配信のネットフリックスが前日夕に発表した2023年10〜12月期決算では売上高が市場予想を上回った。有料契約者数の伸びも想定以上で、アナリストが相次いで目標株価を引き上げたことから株価は11%弱上昇した。半導体製造装置大手のASMLホールディングも決算が評価され、好業績への期待が高まった。
 
一方、工業製品・事務用品のスリーエムや化学のダウなど景気敏感株の一角が下げた。スポーツ用品のナイキや小売りのウォルマートも下落した。
 
ナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比55.975ポイント(0.36%)高の1万5481.918と22年1月以来の高値で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベットが上昇した。
 
S&P500種株価指数は5日続伸した。前日比3.95ポイント(0.08%)高の4868.55で終え、連日で最高値を更新した。
 
 
 
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は反落した。長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日比0.05%高い(価格は安い)4.17%で終えた。24日に発表された1月の米国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3と好不況の分かれ目である50を超え、市場予想(47.2)も上回った。FRBの利下げが遠のくとの見方が強まり、債券売りが広がった。
 
 
 
【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=147円台半ばで推移している。日銀のマイナス金利解除を巡る思惑などを受けて円が買われ、ニューヨーク時間の午前中に一時1ドル=146円60銭台まで円高・ドル安が進む場面があったが、PMIの結果が好調だったことなどを受けてドルを買い戻す動きが強まった。

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

24日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比230円安の3万6245円で終えた。日銀の金融政策正常化の思惑で金利先高観が強まり、日本株の先物に売りが出た。NYダウは、米長期金利の上昇が嫌気され、続落した。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
36245 ( -15 )


シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
36280 ( +20 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7527.67(+41.94)
 
24日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比41.94ポイント(0.56%)高の7527.67で終えた。24日発表された1月の英購買担当者景気指数(PMI)速報値で総合指数が3カ月連続で好不況の分かれ目となる50を上回ったことなどを受けて英景気への懸念が和らぎ、株価の支えとなった。

中国人民銀行(中央銀行)による預金準備率の引き下げなどを受けて、中国経済の下支え策への期待が出ているのも投資家心理を支えた。国際商品市場で銅などの先物価格が上昇し、スイスのグレンコアをはじめ資源株が買われた。航空機エンジンのロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財の一角にも買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが5.32%高で上昇率トップ。産金大手エンデバー・マイニングが4.36%高、同業フレスニロが4.22%高、鉱業大手アングロ・アメリカンが3.98%高で続いた。一方、大衆医薬品のヘイリオンは2.50%安、医療機器大手スミス・アンド・ネフューは2.48%安、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは2.29%安だった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16889.92(+262.83)

24日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比262.83ポイント(1.58%)高の1万6889.92で終えた。終値として2023年12月11日以来、1カ月半ぶりに最高値を更新した。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが8.62%高、業務用ソフトウエア大手SAPが7.63%高、不動産大手ボノビアが3.50%高と急伸し、相場をけん引した。半面、化粧品大手バイヤスドルフは1.63%安、医薬大手メルクは1.31%安、航空機大手エアバスは0.89%安と軟調だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7455.64(+67.60)

フランスCAC40種指数は0.91%高だった。良好な四半期決算を発表した銘柄を中心に買いが入った。

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