27日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比96ドル82セント(0.24%)安の3万8972ドル41セントで終えた。
前週末まで連日で最高値を更新した後で、高値警戒感から利益確定の売りが出た。週内に米連邦準備理事会(FRB)が重視するインフレ指標の発表がある。様子見の雰囲気が強い中で売りが膨らみ、下げ幅が180ドルを超える場面があった。
ダウ平均は今月に入り、前週末までに1000ドル近く上昇し、最高値を更新していた。S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数も最高値圏にあり、主力株の一角に利益確定や持ち高調整の売りが出た。
午前に発表された耐久財受注、米民間有力調査会社コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数はそれぞれ市場予想を下回ったが、相場への影響は限られた。
発表の2月の米消費者信頼感指数は前月改定値(110.9)から悪化し、106.7となった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(115.1)を大幅に下回り、0景気減速の連想につながった。
29日にFRBがインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)物価指数(1月分)の発表がある。市場予想を上回る結果となれば、FRBの早期利下げ観測が一段と後退する可能性がある。重要指標の発表を前に買いを控える雰囲気があった。
バイオ製薬のアムジェンと石油のシェブロンが下げた。「米司法省が反トラスト法(独占禁止法)上の調査を始めた」との報道を受け、医療保険のユナイテッドヘルス・グループも売られた。半面、映画・娯楽のウォルト・ディズニーとホームセンターのホーム・デポが上げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比59.049ポイント(0.36%)高の1万6035.300で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズとネット検索のアルファベットが上昇した。一方、英半導体設計のアーム・ホールディングスが売られた。半導体のエヌビディアは4営業日ぶりに反落した。
【シカゴ日本株先物概況】
27日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比50円安の3万9290円で終えた。同日は米ダウ工業株30種平均は、前週の史上最高値を受けた利益確定の売りに押され下落した。
連日で史上最高値を更新した日経平均株価も利益確定の売りに押される場面があり、シカゴ市場の先物はやや軟調に推移した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
39290 ( +20 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
39295 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7683.02(-1.28)
27日のFTSE100種総合株価指数は横ばい圏となり、前日比1.28ポイント(0.01%)安の7683.02で終えた。前日終値を挟み、方向感に乏しい展開だった。
英政府が電子たばこなどに対する課税を強化する可能性があると伝わり、英インペリアル・ブランズなどたばこ株が下げた。一部金融機関が目標株価を引き下げたと伝わった日用品大手ユニリーバ株も下落した。一方で銀行株や資源株の上昇は指数の支えとなった。
FTSE100種指数の構成銘柄ではないが、家電量販の英カリーズ株が前日比8%ほど上昇する場面があった。同社に対して、米系のエリオット・アドバイザーズが買収金額の引き上げを提示したと伝わったことが材料。カリーズは「過小評価されている」として再提示された案を再び拒否したと公表した。カリーズ株への買いは続かず、前日比約0.4%安で終えた。
FTSEの構成銘柄では、たばこ大手インペリアル・ブランズ(4.84%安)や特殊化学品大手クローダ・インターナショナル(3.16%安)、日用品・食品大手ユニリーバ(2.01%安)と売られた半面、通信大手ボーダフォン(3.51%高)や賭け屋大手フラッター・エンターテインメント(2.31%高)などが買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17556.49(+133.26)
27日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸し、前日比133.26ポイント(0.76%)高の1万7556.49で終えた。連日で最高値を更新した。世界的な株高の基調が投資家心理を支えている。
半導体大手の独インフィニオンテクノロジーズなどテクノロジー関連の銘柄や、自動車株を中心に買いが入った。大型株で構成するDAXのほか、中型株や小型株で構成する株価指数も上昇した。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.03%高と株価をけん引。化学大手BASFが2.43%高、自動車部品大手コンチネンタルが2.20%高と続いた。一方、防衛大手ラインメタルは1.66%安、香料大手シムライズが1.6%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7948.40(+18.58)
フランスCAC40種指数は0.23%高だった。金属価格の上昇を背景に買われた資源株が追い風となったほか、ハイテク株の好調も寄与した。
