ダウ続落84ドル安、利上げ長期化を警戒

22日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比84ドル50セント(0.3%)安の3万3045ドル09セントで終えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日午後、FOMCの前回会合の議事要旨を公表した。「インフレは受け入れがたいほど高い」として、利上げの継続が適切との見解で一致した。FRBは前回会合で、利上げ幅を0.25%に縮小したが、2~3人の参加者は0.5%利上げの継続を主張していた。
午前中のダウ平均は、様子見姿勢が強く、小幅高で推移した。午後に入り、FOMC議事要旨が公表されると、利上げ長期化への警戒感が強まってマイナスに転じた。下げ幅は一時180ドルを超えた。ナスダック総合指数もマイナス圏での取引になる時間帯もあった。

議事要旨ではほとんど全ての参加者が0.25%の利上げに賛成した一方、少数の参加者が0.5%の利上げを主張していたことがわかった。インフレ率が物価目標の2%を大きく上回り、労働市場が引き締まっている状況を踏まえて「継続的な利上げが適切だ」との見解で一致した。利上げを打ち止めにする時期が遅れるとの見方が改めて意識され、相場を押し下げた。

もっとも、一部のFRB高官はすでに次回のFOMCで0.5%の利上げを選択肢から排除しない考えを示していた。ダウ平均は前日に697ドル安と大幅に下げただけに、利上げ継続の懸念はいったん相場に織り込まれたとみて買いに動く投資家もいた。

建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株の一角が下げた。保険のトラベラーズや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株は上昇し、相場を下支えした。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日比14.769ポイント(0.1%)高の1万1507.070で終えた。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。動画配信のネットフリックスは下落した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比225円安の2万7030円で引けた。同日の東京株式市場で日経平均株価が下落し、日経平均先物にも売りが優勢になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受けて利上げ長期化への警戒感が強まり、NYダウは続落した。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27030 ( -100 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27040 ( -90 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
22日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ47.12ポイント(0.59%)安の7930.63で引けた。減益決算を発表した資源大手のリオ・ティントが大幅安となり、素材・エネルギー関連の下げに波及した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化観測も重荷。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表されるまえに持ち高調整の売りもでやすかった。

構成銘柄の7割弱が下落。個別では、高級衣料のバーバリーが4.3%安で最も下げがきつかった。資源株も売られ、リオ・ティントは3.6%安、アントファガスタは2.8%安、アングロ・アメリカンは2.2%安。一方、情報サービス大手レレックスは2.4%高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは1.9%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーは1.7%高と買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに小幅反発し、前日比2.27ポイント(0.01%)高の1万5399.89で終えた。主力銘柄の一部に値ごろ感からの買いが入ったものの、総じて方向感に乏しかった。1日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表を控え、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。
個別では、ヘルスケア大手フレゼニウスが4.4%安、ドイツ取引所が2.8%安、通販大手ザランドが1.6%安。半面、人工透析企業フレゼニウス・メディカルケアは7.3%高と急伸したほか、スポーツ用品大手アディダスは1.7%高、香料大手シムライズも1.6%高となった。

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.13%安だった。
1月31日~2月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を前に様子見ムードも強く、積極的な売買は手控えられた。

 

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