13日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比70ドル46セント(0.20%)安の3万4575ドル53セントで終えた。
朝方発表された注目の8月の米消費者物価指数(CPI)は最近のエネルギー高を受け、伸びは2カ月連続で加速。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(3.6%)を上回った。一方、食品とエネルギーを除くコアの上昇率は前年同期比4.3%と7月(4.7%)から減速し、市場予想と一致した。
ただ、市場予想のほぼ範囲内にとどまったとの安心感が広がり、取引序盤のダウは買いが先行した。
この日はCPI以外の手掛かりに乏しい中、翌日公表の小売売上高、卸売物価指数(PPI)を控え、買い一巡後はマイナス圏に沈むなど方向感に乏しい値動きとなった。終盤のダウはスリーエムなど景気敏感株を中心に売られ、軟調に推移した。
工業製品・事務用品のスリーエムが6%弱下落し、ダウ平均を40ドル押し下げた。経営陣が2024年の成長ペースが鈍化するとの見方を示し、売りが膨らんだ。売りは他の景気敏感株にも波及し、ダウ平均の構成銘柄では航空機のボーイングや化学のダウが下げた。
ダウ平均は高く推移する場面があった。コアの物価上昇率が減速しており、インフレ鈍化の流れが続いているとの見方から、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの過度な警戒が薄れた。米債券市場で長期金利が下がったことも、一部のハイテク株の買い安心感につながった面がある。
バイオ製薬のアムジェンや通信のベライゾン・コミュニケーションズ、医療保険のユナイテッドヘルス・グループが安かった。半面、ソフトウエアのマイクロソフトやクレジットカードのビザなどは買われた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比39.970ポイント(0.29%)高の1万3813.585で終えた。電気自動車(EV)のテスラが買われた。欧州委員会が中国製EVの調査を開始する予定だと伝わり、ドイツに生産拠点を構えるテスラには追い風との見方があった。交流サイト(SNS)のメタプラットフォームズも上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比50円高の3万2635円で終えた。
この日の米株式市場でダウ工業株30種平均は
景気敏感株を中心に売られ、続落したものの、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。投資家心理の支えとなり、日経平均先物にも買いがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7525.99(-1.54)
13日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに小幅に反落した。前日に比べ1.54ポイント(0.02%)安の7525.99で取引を終えた。英石油大手BPが12日の取引終了後、ルーニー最高経営責任者(CEO)が辞任したと発表した。経営トップの突然の辞任で不安が広がり、13日のBP株は2.79%安で取引を終えた。時価総額の大きいBP株の下落が指数の重荷となった。
個別では、オンライン食品販売大手オカド・グループが4.07%安で下落幅トップだったほか、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.87%安、石油大手BPは2.79%安と続いた。一方、アビバと投資会社メルローズ・インダストリーズが4.57%高、住宅大手パーシモンが4.01%高と値を上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15654.03(-61.50)
13日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ61.50ポイント(0.39%)安の1万5654.03で取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が強まったのが投資家心理を冷やした。ドイツ長期金利の上昇が嫌気されたほか、原油高による企業業績への影響が警戒された。資本財や小売り、ハイテクセクターが売られた。
個別では、製薬大手バイエルが4.4%安、スポーツ用品大手アディダスが2.02%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが1.23%安と売られた一方、ドイツ銀行が2.97%高、航空エンジン大手MTUアエロ・エンジンズが2.50%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7222.57(-30.31)
フランスCAC40種指数は0.42%安だった。
欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定を控え、工業株が下落を主導する形で、欧州株は値を下げた。
