ダウ続落491ドル安、消費者の景況感悪化を嫌気

28日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比491ドル27セント(1.6%)安の3万0946ドル99セントで終えた。
 
取引序盤のダウ平均は買いが先行。取引開始直後に446ドル高とこの日の高値を付けた。中国が新型コロナウイルス対策の入国規制を緩和するとの発表が支援材料だった。だが、午前に米民間有力調査機関コンファレンス・ボード(CB)の低調な消費者景気信頼感指数が明らかにされると、売りが徐々に強まりマイナス圏に沈んだ。その後は米国の景気悪化に対する警戒感が根強く、下げ幅をじりじりと拡大する展開が続き、この日の安値近辺で取引を終えた。午前の高値からの下落幅は一時950ドルに達した。
 
 
米カンファレンス・ボードが28日に発表した6月の米消費者信頼感指数は98.7と5月(103.2)から低下し、市場予想(100.00)も下回った。ガソリンや食品を中心としたインフレ懸念の高まりが景況感の悪化につながった。「消費が想定以上に落ち込み、景気の足かせになりかねない」との見方が強まった。
 
消費関連株を中心に売られ、前日夕に発表した業績見通しが弱いと受け止められたスポーツ用品のナイキが7%安。ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザの下げも目立った。
 
米長期金利が3.2%付近で高止まりしたことも相場の重荷となった。金利が上昇すると売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が下げ、顧客情報管理のセールスフォースは5%安。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルは3%安で終えた。
 
一方、原油高を受け、石油のシェブロンは2%上昇した。原油高が収益を押し上げるとの見方から化学のダウも高い。
 
ナスダック総合株価指数も続落し、前日比343.011ポイント(3.0%)安の1万1181.540で終えた。主力ハイテク株が軒並み売られ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズはともに5%安、検索サイトのアルファベットは3%安で終えた。
 
電気自動車のテスラ、半導体のエヌビディアや同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の下げも目立った。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,946.99-491.27
S&P500種
3,821.55-78.56
ナスダック
11,181.540-343.011
FTウィルシャー5000
38,774.67-799.94
NY金(ドル/トロイオンス)
1,821.20-3.60
NY原油(ドル/バレル)
111.81+0.05
円・ドル
136.10 – 136.13+0.35
 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は小幅に上げた。9月物は前日比40円高の2万6745円で引け、28日の大取終値を325円下回った。朝方の市場で中国の新型コロナウイルス感染防止策の緩和を好感し、日経平均先物は米株とともに買われた。その後は6月の米消費者信頼感指数の悪化を受けて米株が下げに転じるにつれ、上げ幅を縮めた。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26745 ( -325 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26800 ( -270 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7323.41(+65.09)
28日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日に比べ65.09ポイント(0.90%)高の7323.41で引けた。中国政府が新型コロナウイルス規制の一部を緩和したことで、同国経済の減速懸念が和らいだ。需要回復への期待からエネルギー株や資源株が買われた。
FTSEでは、指数構成銘柄の6割超が上昇。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが6.5%高と上昇率トップで、保険大手プルーデンシャル(4.3%高)や石油大手シェル(3.1%高)も買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13231.82(+45.75)
28日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ45.75ポイント(0.35%)高の1万3231.82で終えた。中国政府が新型コロナウイルス規制の一部を緩和すると発表した。同国経済の減速懸念が和らぐとの期待感から、自動車株や工業株の一角が買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6086.02(+38.71)
フランスCAC40種指数は0.64%高だった。
積極的な利上げや景気後退への懸念が後退し、買いが先行した。

 
 

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