29日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比411ドル32セント(1.05%)安の3万8441ドル54セントで終えた。
今週は週末の個人消費支出(PCE)物価指数が待たれており、この日は極めて重要な米主要経済指標の手掛かりが乏しい状況。前日と同様、米長期金利の上昇が重しとなる中、ダウ平均は取引序盤から売りが先行し、下げ幅は一時430ドルを超えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の高官が最近、改めてインフレに対する警戒感を示していることもあり、長期金利の指標である10年物国債利回りは29日、4.60%台に上昇。幅広い銘柄が売られ、ダウは終日、軟調な値動きとなった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の高官が最近、改めてインフレに対する警戒感を示していることもあり、長期金利の指標である10年物国債利回りは29日、4.60%台に上昇。幅広い銘柄が売られ、ダウは終日、軟調な値動きとなった。
国債入札で低調な結果が続いたことが金利高につながった。5月中旬にかけての金利低下の流れが逆転し、市場では「金利上昇への警戒感が高まっている」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との指摘があった。
ドイツで29日に発表された5月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比の上昇率が前の月から上振れし、独長期金利が約半年ぶりの高水準を付けた。日本の長期金利も上昇基調を強めている。海外の金利高が米国債の売りに波及し、米株相場の重荷になった面がある。
ダウ平均は朝に440ドル程度まで下げ幅を広げ、その後はやや下げ渋る展開だった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、下落して始まったエヌビディアが上昇に転じ、投資家心理を支えた。人工知能(AI)向け半導体の需要を背景に業績拡大が続くとの期待が買いを誘った。
ダウ平均の構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループの下げが目立った。経営陣が低所得者向け保険事業の先行きに慎重な見方を示し、嫌気された。インテルやキャタピラー、ボーイングにも売りが出た。半面、セールスフォースとアップルは上昇した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比99.300ポイント(0.58%)安の1万6920.580で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコムなどが売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
29日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比645円安の3万8315円で終えた。
NYダウ平均は、米長期金利上昇が嫌気され、続落した。
同日は金利上昇を受けて日米株式相場がともに下落し、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38315 ( -175 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38325 ( -165 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8183.07(-71.11)
29日のFTSE100種総合株価指数は6日続落し、前日比71.11ポイント(0.86%)安の8183.07で終えた。米国やユーロ圏で利下げの判断が慎重になされるとの観測や、欧米の金利上昇が相場の重荷となった。英アングロ・アメリカンを含む資源株や銀行、電力など公益、資本財関連などエネルギーを除く幅広い業種で売りが優勢となった。
FTSEの構成銘柄では、オンライン食品販売大手オカド・グループが12.26%安と急落。工業・電子製品大手RSグループが4.51%安、送電大手ナショナル・グリッドが4.36%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが3.05%安で続いた。一方、産金大手フレスニロは1.95%高、保険大手ビーズリーは1.28%高、衣料小売り大手ネクストは1.11%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18473.29(-204.58)
29日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比204.58ポイント(1.09%)安の1万8473.29で終えた。ドイツの長期金利が一時、約半年ぶりの高水準をつけるなど欧米金利が上昇し、投資家心理を冷やした。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.02%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが3.19%安、製薬大手バイエルが3.15%安。半面、スポーツ用品大手アディダスは2.16%高、医薬大手メルクは0.51%高、ハノーバー再保険は0.45%高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7935.03(-122.77)
フランスCAC40種指数は1.52%安だった。
