ダウ続落39ドル安、原油安や地政学リスク

6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比39ドル73セント安の2万4140ドル91セントで終えた。
本日は原油相場の下落や税制改革への不透明感に加えて、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都に認定したことから地政学リスクへの警戒感が強まり、揉み合う展開となった。ハイテク株に買い戻しの動きが広がったものの、相場を押し上げるには至らなかった。
原油安でシェブロンやエクソンモービルなど石油株が下げたことも相場の重荷だった。先行したアジアや欧州市場で主要株価指数の下げが目立ち、米市場も買いの勢いは高まらなかった。
ゴールドマン・サックスとホームセンターのホーム・デポ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げが目立ち、3銘柄でダウ平均を約40ドル押し下げた。利益確定売りに押され、銀行株も総じて安い。シティグループは「減税が実現すれば繰り延べ税金資産の取り崩しで利益を200億ドル圧迫する」と経営陣が述べたことも売り材料になった。
 
ただ、海外株は「高値警戒感から利益確定売りが出た程度で、米株を積極的に売る理由にはならない」との声もあった。前日まで軟調が続いたハイテク株が持ち直し、相場を下支えした。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比14.162ポイント高の6776.375で終えた。フェイスブックはエバコアISIが「買い」の投資判断で新たに評価を開始し、大幅高。アマゾン・ドット・コムなど主力株が買われ、相場を押し上げた。
 
セクター別では、不動産やソフトウェア・サービスが上昇する一方で素材や保険が下落した。
 
個別では、製薬のメルクが大幅安。スイスの製薬大手ロシュが肺がんの免疫療法の効果を7日に発表すると明らかにし、肺がん治療での競争激化が懸念された。ホームセンターのロウズやディスカウントストアのターゲットなど最近買いが優勢だった内需株が軟調だった。
 
一方で、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)は既存店売上高が予想を上振れ、堅調推移した。
人工透析などを手掛けるダビータが急伸した。医療保険のユナイテッドヘルス・グループが外来診療事業を買収すると発表し、好感した買いが入った。蒸留酒大手のブラウン・フォーマンは朝方発表した17年8~10月期決算で売上高などが市場予想を上回り、買いが広がった。
 
 
VIX指数は11.00へ下落(前営業日11.33)。ダウ平均が、トランプ米大統領がイスラエルの首都をエルサレムと正式に認定したことを受けて弱含んだことで、VIV指数は一時11.68まで上昇した。しかしながら、米両院協議会での税制改革法案の一本化への期待感などから、主要株式3指数は下げ渋る展開となったことで、10.86まで下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,140.91-39.73              6
S&P500種
2,629.27-0.30
ナスダック
6,776.375+14.162
 
米10年債利回り(%)
2.3349 -0.021
米2年債利回り(%)
1.8024 -0.024
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,266.10+1.20
NY原油(ドル/バレル)
55.97-1.65
円・ドル
112.26 – 112.27   +0.16


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は大幅続落。12月物は前日比230円安の2万2240円で取引を終え、大阪取引所の終値を40円上回った。
前日の日経平均株価の急落を受けて軟調だった。米税制改革法案の調整が難航するとの見方や、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認めると発表し中東情勢混迷への懸念が強まった。米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが及んだ。為替相場が円高方向に振れたことも重荷だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22240 ( +40 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22240 ( +40 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7348.03(+20.53)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日5日の終値に比べ20.53ポイント高の7348.03で引けた。たばこ株の上げが指数を押し上げた。ただ構成銘柄の半数以上は下落した。
 
英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡り、アイルランド国境問題などで今週の合意はなさそうだと伝わった。これを受けて、ポンドが一段安となり、株価指数は午後に上昇に転じた。
第2回の中間配当を発表したブリティッシュ・アメリカン・タバコは3%超上がった。同業のインペリアル・ブランズも高くなった。
レジャー・外食のウィットブレッドは7%超の上昇。日用品のレキットベンキーザーと酒類のディアジオも堅調だった。
 
半面、HSBCホールディングスなど銀行株は下落した。競合のインツ・プロパティーズを買収すると発表した不動産投資信託(REIT)のハマーソンは6%超下落した。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスと、決済処理のワールドペイ・グループ、医薬品のシャイアーも安くなった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12998.85(-49.69)
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日5日に比べて49.69ポイント安の12998.85だった。
社債と転換社債を合計15億ユーロ発行すると発表したドイツポストが売られた。自動車のフォルクスワーゲンとコメルツ銀行も下落した。一方で、放送大手のプロジーベンザット1メディアと、医療機器のフレゼニウスは上昇した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5374.35(-1.18)

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