ダウ続落382ドル安 年内の量的緩和縮小を警戒

18日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比382ドル59セント安の3万4960ドル69セントと2週間ぶりに心理的節目の3万5000ドルを下回って終えた。
 
7月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、量的緩和策の縮小について、参加者の大半が年内の開始が適切と考えていたことが議事要旨で示された。参加者の大半は、縮小開始の条件のうち、物価目標に関しては既に満たしているとみており、最大雇用についても「達成に近い」との認識を示した。ただ、参加者のうち数人は、来年初めの開始が適切との立場を取った。
 
議事要旨では「大半の参加者が、経済が彼らの予想通り幅広く発展するなら年内に資産購入ペースの縮小を始めるのが適切になるだろうと述べた」と明記された。テーパリングを始める条件にしてきた米連邦準備理事会(FRB)の目標に向けた「顕著な一段の進展」については、物価安定は「満足する水準に達した」と判断、雇用最大化も「満足する水準に近い」と指摘した。ダウ平均は議事要旨の公表後にじりじりと下げ幅を広げた。
 
朝方発表の7月の米住宅着工件数は3カ月ぶりに減少し、市場予想も大幅に下回った。前日発表の7月の米小売売上高など足元では市場予想を下回る経済指標の発表が増えており、米景気の減速懸念も株式相場の重荷となった。
 
前日に上場来高値を更新していたスマートフォンのアップルが2%超下落した。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株も安い。原油安を受け石油のシェブロンも下げた。このところ買われていたディフェンシブ株も売りに押され、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や外食のマクドナルドが安い。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比130.267ポイント安の1万4525.914で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのフェイスブックなど主力ハイテク株が売られた。エヌビディアなど半導体株も総じて安い。一方、前日まで下げがきつかった電気自動車のテスラは反発した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,960.69-382.59
S&P500種
4,400.27-47.81
ナスダック
14,525.914-130.267
NY金(ドル/トロイオンス)
1,784.40-3.40
NY原油(ドル/バレル)
64.51-0.95
円・ドル
109.79 – 109.80+0.19
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
18日のシカゴ日経平均先物は小幅に続落した。9月物は前日比40円安の2万7415円で引け、18日の大取終値を185円下回った。
連邦準備制度理事会(FRB)が公表する7月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨への警戒感から寄り付き後、下落。その後も、様子見気配が強まり、もみあいが続いた。議事要旨の中で、年内の緩和縮小の可能性が示唆されると警戒感が強まり、引けにかけて売りにさらに拍車がかかった。日経平均先物は米株とともに売られた。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27415 ( -185 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27425 ( -175 )
※( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7169.32(-11.79)
18日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ11.79ポイント安の7169.32で引けた。
他の欧州主要国の株価指数は、ドイツとイタリアが上昇する一方、フランスは値を下げた。
資源大手BHPビリトンが英・豪の二重上場廃止を打ち出し、インデックス投資家が保有株を一部売却したことが重しとなった。また、銅価格の下落などを背景に資源株の下げが全体を押し下げた。指数構成銘柄のうち、上昇、下落はそれぞれ約半数ずつだった。
 
個別銘柄では、銅相場安を受けて主力の鉱業株が下落した。なかでも大型株のBHPグループが6%近く下げた。前日に上昇したことから利益確定の売りが出た。上場先をオーストラリアに一本化するとの報道も材料視されたようだ。石油のBPや銀行株、食品・日用品のユニリーバも売りに押された。中国景気の減速懸念を背景にファッションのバーバリー・グループも安かった。
 
半面、料理宅配のジャスト・イート・テイクアウェー・ドット・コムは続伸した。前日下げた航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は買い戻された。バラット・ディベロップメンツをはじめ住宅建設株にも買いが入った。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15965.97(+44.02)
18日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べ44.02ポイント高の1万5965.97だった。
午前は売りが優勢だったが、引けにかけて買い圧力が強まった。
個別では、シーメンス・エナジーや電力のRWEなどエネルギー株が指数の上げをけん引した。ドイツポストも高かった。アディダスと自動車株は売られた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6770.11(-49.73)
フランスの株価指数CAC40が下げた。
 

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